日本デジタル歯科学会誌
Online ISSN : 2432-7654
原著
咬合挙上における前頭前野の血流量の変化
本間 優太木本 克彦大野 晃教熊坂 知就服部 慎太郎星 憲幸
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2022 年 11 巻 3 号 p. 109-117

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抄録

 本研究は,下顎位の変化によって誘発される前頭前野の血流量の変動を計測し,咬合高径の客観的評価法の可能性について検討した.

 被験者は,個性正常咬合を有する成人18名を対象とし,高さの異なる咬合挙上スプリントを装着した時の前頭前野の神経活動を機能的近赤外分光法(fNIRS)を用いて計測した.また,その時の情動変化を視覚的アナログスケール(VAS)を用いて主観的に評価した.その結果,咬合挙上量が増加するにつれて不快感は有意に上昇したのに対して,前頭前野の神経活動も変動し,特に前頭極付近で有意な変化が観察された.

 以上のことから,前頭前野の神経活動より,非侵襲的かつ客観的に咬合高径を評価できる可能性が示唆された.

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