抄録
小児科領域における在宅医療の重要性が増している。新生児医療の発達を背景に,高度な医療ケアを必要とするため退院の目処が立たない患児が増加していること,緩和ケアの概念の浸透によって,小児の在宅終末期医療のニーズも増加していることがその要因である。当院では,1999年の開設以来,小児の在宅医療を積極的に行い,2007年10月までに54例の小児科領域の患者を診療し,現在,38例の生存患者に在宅診療を行っている。小児在宅医療は,非常に困難な問題を多く抱えている。しかし,その問題を克服することにより,子供が家族と共に暮らすことを実現し,子供から驚くほどの発達と可能性を引き出す。今後,小児在宅医療が浸透していくためには,その社会的な認知が広がることが必要である。