抄録
Hibワクチンと肺炎球菌結合型ワクチン(PCV)の導入により,わが国の髄膜炎・菌血症など小児重症細菌感染症の患者数は大幅に減少している。ウイルス感染症がほとんどである小児科外来の発熱患者に対して,これまで抗菌薬が不必要に投与されることが多かったが,重症細菌感染症のリスク軽減により,抗菌薬を投与せずに注意深く観察しながら経過をみる余裕が小児科医に生まれている。また,ペニシリン耐性株が多かったPCV7タイプの肺炎球菌が減少することで,肺炎球菌のペニシリン感受性も改善している。両ワクチンの接種率を今後も高く維持することが,小児の診療における抗菌薬適正使用につながると考える。