抄録
新生児薬物治療における医薬品適応外使用の問題に対して,2003年に大西らによって適応外医薬品のリストが提示され(以下,大西リスト),2015年には河田らによる追跡調査で一部の医薬品について新生児適応が認められたことが報告された.本研究では,大西リストの現時点での状況調査および新生児マニュアル等収載医薬品についても適応外使用の調査を行った.その結果,未だ約8割の医薬品が適応外使用であり,また小児に比べ新生児では適応取得が遅れていた.一方で,限定的ではあるが新生児適応を取得した医薬品も存在し,その半数は公知申請により承認がなされていた.また新生児に対する注意事項の記載追記など進歩も見られた.新生児における適応外使用の問題を解決するためにはすでに実施されている施策に加え,日常診療で得られる安全性情報の収集やModeling & Simulationなどの技術を活用し,公知申請による承認の道筋を広げることが必要であろう.