1. 臨床的に異常のない5例のサラブレツド種の成馬の末梢血液から得た無顆粒球を電子顕微鏡的に観察し, 得られた所見を基礎に, リンパ球, 単球および形質細胞様細胞の3種に区分した.
2. リンパ球をさらに定型的および非定型的リンパ球の2型に分類した. 定型的リンパ球は, 細胞の大部分を占める円形, 不正円形あるいは馬蹄形の核を有し, 細胞質内には数個の糸粒体, 少量の粗面小胞体, 発達不良なゴルジー体および多数の遊離リボソームを含有するのを特徴としていた. 非定型的リンパ球は, 細胞質内に拡大した不正な槽状あるいは屈曲して走行する小管状の粗面小胞体を有するほかは, 定型的リンパ球のそれに一致していた.
3. 単球は, 桿状, 馬蹄状あるいは不正円形の核を有し, 細胞質内には少量の粗面小胞体, 若干の糸粒体および電子密度の高い小顆粒が認められた.
4. 形質細胞様細胞は, 細胞質内に層状に発達した粗面小胞体を豊富に有し, その内部にやや電子密度の高い物質を含有する無顆粒球で, 全例の末梢血液内に常に観察された.