抄録
11頭の若馬(サラブレッド種,2歳馬)について,平均R-R間隔およびR-R間隔の変動係数(CV)の日内リズムを周期解析するとともに,成長やトレーニングによる周期性への影響を検討した.平均R-R間隔の日内リズムでは,単一のスペクトル(14.5-19.3時間周期)が抽出され,そのパワー,振幅および中央値が,成長やトレーニングに伴って増大した.一方,R-R間隔の変動係数の日内リズムでは2つの周期(14.5-15.8時間と5.6-7.5時間周期)が抽出されたが,これらに成長やトレーニングに伴う一定傾向の変化は認められなかった.したがって,R-R間隔とR-R間隔の変動係数の日内リズムは自律神経活動に影響する異なった要因を抽出,反映していることが示唆された.また,R-R間隔の日内リズムを監視することで成長やトレーニングの進行度を把握することが可能と考えられた.