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2024 Volume 2024 Issue 1 Pages 4-19

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古賀 真也(池田市立五月丘小学校)

キーワード:教材,Small Talk,「話すこと」[やり取り]

要旨

本研究の目的は,小学校外国語科のSmall Talkにおける会話補助シートとルーブリックの効果を検証することである。会話補助シートは,既習表現を想起させる教材であり,児童が発話したい内容を表現するのを支援する目的で活用した。一方,ルーブリックは,児童が自身の学習目標を設定し,その達成度を自己評価するためのツールとして使用した。これら二つの教材を使用し,に 1時間ずつ小学校外国語科のSmall Talkの活動において実践を6ヶ月間行なった。検証は,実践の事前と事後でパフォーマンステストを行い,発話総語数の変化の測定とディスコース分析を行なった。その結果,発話総語数は事前と事後で有意に増加した。全員に行なったディスコース分析では,「話題の増加」「休止や沈黙の減少」「質問数の増加」「興味深い話題への関与」などの特徴が見られた。これらの結果から,会話補助シートが,児童の会話におけるコミュニケーション能力の向上において有効であることが示唆された。また,事前•事後で見られた児童の発話の変化とルーブリックの評価基準には一定の関連性を確認することができた。

一方で,事前と事後において英語使用における誤りの改善はほとんど見られなかった。会話補助シートやルーブリックを活用して児童が個々で自律的に学習を進めていく中で,どのように教師が介入して,誤りを正していくかという課題が明らかになった。

はじめに

2017年に告示された学習指導要領では,「話すこと」[やり取り]が新たな学習の領域として設けられた。この領域の指導目標の一つには,「自分や相手のこと及び身の回りの物に関する事柄について,簡単な語句や基本的な表現を用いてその場で質問をしたり質問に答えたりして,伝え合うことができるようにする」(文部科学省,2017a,p.157)という項目が含まれている(以降,基本的コミュニケーション能力と呼ぶ。)。

この新たな指導領域に対する教師の不安は,株式会社イーオン(2021)による小学校教員へのアンケート調査からも見て取れる。英語教育に自信がないと感じる教員の中で最も多く挙げられた課題が

「話すこと」[やり取り]であり,教師たちはこの領域の指導に大きな不安を抱いている。 教師が不安を感じる背景として「話すこと」[やり取り]における指導内容の難しさがあると考える。児童が自発的に質問をしたり答えたりするためには,語彙の習得だけでなく,何を話すべきかの判断も求め

られ,その難易度は高い。さらに,「話すこと」[やり取り]の能力評価は,「読むこと」「聞くこと」「書くこと」のようなペーパーテストによる評価をすることが難しく,児童自身による自己評価も容易ではない。教師たちのこのような不安や指導の課題を解消するためには,児童の基本的コミュニケーション能力を育成するための新しい指導法や教材の検討が必要である。

このような点を踏まえ,本研究では既習表現を想起させる会話補助シートと,児童が自己評価と 標設定を行うためのルーブリックに焦点を当てる。これらを6年生における小学校外国語科の授業で用いることにより,基本的コミュニケーション能力の育成をすることができると仮定する。そして,これらの教材と指導法が,「話すこと」[やり取り]の指導に直面する教師たちに対する一助となることを目指す。

  1. 2.   先行研究
    1.    言語用法基盤モデル

村端(2020)の調査では,公立小学校において言語用法基盤モデルに基づいて実践を行い,児童がコミュニケーションを円滑に実行し英語の使用に自信を持つ能力が高まったことが明らかになった さらに,児童がプレハブ表現の類似表現からパターンを見つけ,独自の表現枠を形成したことが確認された。また,児童が文構造について理解して自然に用いることができるようになった。

話補助シートも,言語用法基盤モデルに基づいた教材であり,児童は定型文に選んだ言葉を組 み込むことができる。定型文に言葉の入れ替えを繰り返す中で,児童は言語のパターンを習得し,それを自己の表現に取り入れ,会話を円滑に行うことが期待される(会話補助シートの詳細は後述する。)

ルーブリック

泉他(2020)は,小学校英語教育における評価の在り方と課題を検証した。この研究では,Can-Do振り返りシートとルーブリックによるパフォーマンス評価の実践が2つの小学校で行われた。

その結果,児童の自己評価と教師の評価の間に大きな違いは見られなかった。また,児童の学習における目標設定が明確になったことが明らかになった。そして,泉他(2020)は,児童と評価の観点を共有し学習に見通しとやりがいを持たせることが大切だということを主張している。

泉他(2020)の小学校で教師と児童が共有したルーブリックは,「考えの整理」「態度•積極性」

「話し方」「コミュニケーション•ストラテジー」「言葉の知識•技能」「流暢さ」「正確さ」を要素とし,良い評価の順からA,B,Cの3段階で児童のコミュニケーション能力を幅広い観点によって評価できるよう設計されている。それに対し,本研究が使用するルーブリックでは,「問い」「答え」

「リアクション」の3つの会話の基本要素に焦点を絞り,より児童が基本的コミュニケーション能力の内容を捉えやすいようにしてある。さらに,評価基準を6段階に分け,児童がより自己評価や目標設定を細かくできるようにした(ルーブリックの詳細は後述する。)。

SmaII TaIk

Small Talkは「話すこと」[やり取り]の活動の中の一つで,「あるテーマのもと,指導者のまとまった話を聞いたり,ペアで自分の考えや気持ちを伝え合ったりする」(文部科学省,2017b,p.140)

活動である。目的は「既習表現を繰り返し使用できるようにしてその定着を図る」ことと「対話を続けるための基本的な表現の定着を図る」(p.84)ことである。

山ロ•巽(2020)の研究では,Small Talkを経験したことのない児童に対して1年間の継続した指導を行い,発話パフォーマンスにどのような影響を与えるかを調査した。その結果,即興的な会話において発話総語数が増加し,語彙の種類や英語表現の種類が豊富になることなどが明らかになっており, Small Talkの継続的な活動が「話すこと」[やり取り]におけるコミュニケーション能力を伸ばすということが示唆されている。本研究でもSmall Talkにおいて実践を行うが,特に会話補助シート(図1)やルーブリックの二つの教材に焦点を当て,その効果検証を行う。

図1 話補助シートの表面(話題提示)

話補助シートとルーブリックの 果検証

古賀(2023)は,小学校6年生の児童33名を対象に,6ヶ月にわたり会話補助シートとルーブリックを用いてSmall Talkの実践を行い,その効果を検証した。質問紙による調査からは,「話すこと」「楽しさ」「簡単さ」の項目における児童の回答に有意な差が見られた。また,児童の自由記述に対する計量テキスト分析を行った結果,会話補助シートをもとに児童が会話を想起している実態が確認された。さらに,児童のルーブリックによる評価を1から6の範囲で数値化したところ,全体の平均点が1.34点増加した。これは,話補助シートを使用したことで児童のルーブリックの到達度が平均で 1段階以上高くなったということになる。これらの結果は,会話補助シートとルーブリックの使用が児童の基本的コミュニケーション能力を向上させるために有効であったことを示している。

古賀(2023)の研究は,児童の質問紙における回答や感想,自己評価に基づき,児童の情意面や自己効力感に焦点を当てて教材の検証を行なっている。本研究では,児童のパフォーマンステストにお

ける発話の内容を対象としてディスコース分析を行い,児童の発話への影響を分析することで教材の効果検証を行う。

  1. 3.   実践
    1.    話補助シート

会話補助シートは,児童が会話内容を想起することを促進する目的で設計された教材である。このシートの表面には,食べ物,旅行,テレビドラマなど,様々な話題を想起させるための絵が配置されている。また,シートの裏面には,“What 名詞 do you like?” という定型文が示されており,その名詞部分に挿入するための単語が,表面の絵と連動して提示されている。さらに,相手からの応答に対するリアクションを示す表現も,イラストとともに裏面に掲載されている。表1に会話補助シートの概要を示す。

表1 話補助シートの概要

項目 説明

設計 会話に必要な情報の参照が容易になるように児童に関わりのあるイラストが番組表の形で配置されている。

話のテーマとして選ばれるテレビ番組に関する情報が描かれてい

表面 る。テーマは,旅行,天気,スポーツ,アニメ,地域,テレビ番 ,食べ物,映画,音楽,料理である。

裏面の定型文部分(図2)

定型文とその答え方がイラストと文字で示され,児童は適切な単語を選び出し,それを定型文の中に挿入することで会話文を作成できる。

裏面のリアクション部分 “Really?” や“Of course.” といった基本的な表現が,イラストとともに (図3) 提示され,児童が素早く参照できるよう配慮されている。

活用 児童が話したい内容を表面で確認し,裏面でその内容に対応する定型文を見つけ出すようになっている。

自然な会話の展開を助け,学習過程での緊張を軽減し,発話内容を想

期待される効果 起する時間を短縮する。これにより自信と意欲が高まり,基本的コミ

ュニケーション能力が向上することが期待される。

図2 会話補助シート(定型文) 図3 話補助シート(リアクション)

ルーブリック

ルーブリック(図4)の概要を表2に示す。

表2 ルーブリックの概要項目 説明

的 児童の基本的コミュニケーション能力の自己評価や目標設定を促す。

到達度 最上級の初段と1級から5級の6段階から構成されている。

問いを続ける時間,テーマの幅広さ,会話を流暢に続ける能力,リアクションな内容 どから構成されている。各評定に対応する評価基準がCan-Do形式で記述されてい

る。

Small Talkの活動前に,児童が自ら「問い」「答え」「リアクション」の目標を設用方法 定する。活動中,教師は各児童の会話力を選択的に観察し,評価の基準として参

照する。児童は活動後の自己評価を次回のSmall Talkの目標設定に利用する。

児童は基本的コミュニケーション能力を客観的に把握することができ,自己評価期待される効果 も容易となる。さらに,「問い」「答え」「リアクション」の項目ごとに自分の

能力に応じた目標を確認し,学習の見通しを立てることが可能になる。

図4 ルーブリック

二つの教材を用いて実践に取り む意義

会話補助シートが自然な会話を展開する基盤を提供し,ルーブリックを利用してその会話の中で児童がどの程度の言語能力を発揮しているかを評価することができる。さらに,会話補助シートでの練習を通じてルーブリックで示された具体的な目標に向けて児童が努力することで,基本的コミュニケ

ーション能力の向上が見込まれる。したがって,これら二つの教材の組み合わせは,児童の自律的な学習と基本的コミュニケーション能力の向上を促進する効果が期待される。

SmaII TaIkにおける教材の活用

Small Talkは児童が5年生から,外国語科の週2回の授業のうち1回,授業開始時の約10分間を利用して実施した(図5)。会話補助シートとルーブリックは,児童が6年生であった2022年8月から2023年3月まで19回の授業において教材として活用した。

授業では,英語専科教員と学級担任が会話補助シートの話題を選んでSmall Talkのデモンストレーションを授業の冒頭で行った(図6) 次に,児童はルーブリックを参照し,目標とする「級,段」(到達度)を決め,各到達度に記されている「問い」「答え」「リアクション」の評価基準を確認した その後,教師の“Let’s start.”という指示で,児童同士のペアが会話を開始し, 話補助シートを参照しながら,選択した話題に基づいて質問を行った(表3) 会話補助シートはテレビ番組の番組表の形式をとっているが,提示されているテレビ番組の内容を離れて自由に話題を展開してよいことにした質問が思い出せない時は定型文を用い,相手の応答に対してはリアクション表現を選んで反応したそして,“Time is up.”という指示があるまで1分30秒間,会話を継続した。より多くの他者と多様な話題を話してほしいという意図から異なる児童3人とのSmall Talkを実施するようにした。その後,会話中に相手にうまく伝えられなかった表現を,学級全体で共有し,教師が適切な表現を明示した。最後に,自分のSmall Talkにおける問い,答え,リアクション,それぞれのパフォーマンスをルーブリックに沿って自己評価し,全ての項目が達成した場合は到達度に達したとみなし,ルーブリックに日付を記入した。表4にSmall Talkの内容を示す。

ルーブリックに示された児童が英語を話す時間や沈黙の時間の測定に関しては、実施の環境上、各児童の会話時間を厳密に計測することは困難であった。そのため、時間は目安として提示し、児童が自ら意識しながら活動を行う形にしていた。

会話補助シートを使用した実践において,全ての児童が会話補助シートを参照しながら会話を行っている様子が記録された動画から確認できた。児童は全ての発話において会話補助シートを参照して行なっているわけではないが,会話補助シートを会話の基盤としていることはうかがえる。

会話補助シートによって児童の会話が定型文のみに制約されるということはなかった。事後のディスコース分析において,定型文 What 名詞 do you like?の質問文は顕著な増加が確認できたが,他の文型の質問文も多く見られた。

図5 Small Talkの様子 図6 教師によるデモンストレーション

表3 話補助シートの項目と話題 表4 Small Talkの内容話補助シートの項目 話題 Small Talkの内容

travel shows 旅行 英語専科教員と学級担任のデモンストレーション

anime アニメ ルーブリックによる自己評価と目標設定

animal variety 動物 1.会話の開始 “Let's start.”

weather news 天気 2.会話補助シートを使っての質問と回答

TV dramas ドラマ 3.定型文利用とリアクション表現の選択(任意) food variety 食べ物 4.会話の終了 “Time is up.”

quiz shows

クイズ

5.ペアの交代

sports news

スポーツ

*3人とのSmall Talkを1から5の手順で繰り返し

local TV

movies

地域

映画

(ペア活動の終了後)

相手に伝えられなかった表現を学級全体で共有

cooking

料理

ルーブリックの自己評価(到達度)

music

音楽

方法

4.l B参加者 B

対象者は,I 市の小学校 6 年生 33 名である。I 市では教育課程特例校による特別な教育課程を編成しており,1•2 年生には「英語活動」として市独自の教育課程を採用し,年間 15 時間の授業を実施している。 3•4 年生では外国語活動を 35 時間,5•6 年生では外国語科を 70 時間実施している。調査対象の学級では, 2 回の授業があり,そのうち 1 回は英語専科教員,学級担任,及び ALT が担当し,もう 1 回は英語専科教員と学級担任が担当している。

4.2 B本研究のB 的 B

本研究の目的は,小学校外国語科のSmall Talkにおける会話補助シートとルーブリックの効果を検証することである。6年生における外国語科におけるSmall Talkの活動において,会話補助シートとルーブリックを用いて6ヶ月の実践を行い,児童の発話の変化を分析した。

4.3 B検証方法

検証では,「話すこと」[やり取り]のパフォーマンステストを実施し,事前•事後における発話総語数の比較とディスコース分析を行った。発話総語数の測定では,児童がどれだけ会話を維持できたかを量的に測定しようとした。ディスコース分析では,児童の基本的コミュニケーションの質がどのように変化したのかを質的に調査しようとした。これら2つの方法を併用することで,児童の基本的コミュニケーション能力の変化を総合的に評価することができると考えた。

パフォーマンステストは6年生の8月(事前)と6年生の3月(事後)の2回実施した(表5)。テストは,ALTと児童の1対1の形式で実施した。最初にALTが3つの質問をし,その後に児童が質問して, 話を進める形式をとった。制限時間は設けずに,児童の「see you」の発話を終了の合図とし,教師からは特に会話を終了するような指示は出さなかった。会話補助シートが自由に話題を選択できる特性も考慮して,特定の場面や状況の設定は行わなかった。

会話の様子は動画で撮影した。文字起こしは,Nikula(2012)に従い,アクセント,休止,声の大きさ,筆者の解釈,不明瞭な単語やフレーズなどを記号で記録した(資料1) なお,パフォーマンステストでは,事前と事後の条件を同じにするため会話補助シートは使用させていない。

表5 パフォーマンステストの概要(事前も事後も同じ内容)形式 部屋でALTと1対1

児童への指示 「最初は(ALT)先生が3つ質問をします。その後,皆さんが会話を進めるようにしてください。会話の内容は自由に選んでください。話の終わりは See youと言って終わるようにしてください。」

発話総語数の調査は,児童がパフォーマンステストで発した単語を数え,総数を算定した。得られたデータから平均値,中央値,標準偏差,最小値,および最大値を求めた。データの分布が正規性を示していたので,対応のあるt検定を実施した。有意水準はp<.05とした。

ディスコース分析では,泉他(2020)のルーブリックを参照した。このルーブリックにおける「考えの整理」「態度•積極性」「話し方」「コミュニケーションの戦略」「言葉の知識及び技能」「流暢さ」「正確さ」の観点を,児童のコミュニケーション能力を広範囲にわたって評価するための資料として採用した。ただし,本研究では厳格な基準としてではなく,指標の一つとしての位置づけとした。これらの観点をもとに,児童の発話の全体像を初歩的に捉え,さらに特定の側面を詳細に検証した。

なお,参加者に対して研究の目的と内容や個人情報の保護について説明し,その同意を得てから調査を行った。

5㸬結果

  1.    発話総語数の増加

事前と事後の児童の発話総語数を測定した結果を表6に示す。平均値は,事前の発話総語数が31.1から,事後では35.1へと増加していることが確認できた。また,中央値も事前の29.0から事後の36.0に上昇しており,児童全体の発話量が増加したと考えられる。標準偏差が事前の8.6から事後の6.7に減少しており,基本的コミュニケーション能力が全体的に均一化しているとも考えられる。また,対応があるt検定を実施したところ発話総語数の増加が統計的に有意であったことが示された(t(31), 2.7, p=.01)。

表6 事前•事後の児童の発話総語数 n=32

平均

中央

標準偏

最小

最大

tp

事前

事後

事前

事後

事前

事後

事前

事後

事前

事後

発話総語数

31.1

35.1

29.0

36.0

8.6

6.7

18.0

20.0

47.0

49.0

2.7 .01*

* p<.05

ディスコース分析の結果

ディスコース分析により,事前•事後の児童の会話における変化が確認された。特に,「話題の増加」「休止や沈黙の減少」「質問数の増加」「興味深い話題への関与」の四つの特徴が明らかになった。これら四つの特徴についてのディスコースとともに述べる。

話題の増加

一つ目の特徴として,事前と事後で話題が増加したことが挙げられる(以降ALTをT,児童をSと記述する。)。事前と事後を通して,話題の増加が確認できた児童Aのディスコースを示す。

児童Aの会話(事前) 児童Aの会話(事後)

01 S: How are you? .

05 S What sport do you like?

02 T: I’m good.

06 T I like soccer.

03 S: What sport ((4秒の沈黙))えっと。分からん。

07 S What soccer team do you like?

04 T: OK. No problem.

08 T I like Real Madrid.

事前のディスコースにおいて,児童Aは「What sport」と発話し始めるも,その後に続く4秒間の沈黙と「えっと。分からん」という発言から,質問を完全に形成できなかった(03)。しかし事後のディスコースでは,児童A自身が「05 S: What sport do you like?」や 「07 S: What soccer team do you like?」といった質問を積極的に行っている。事後のディスコースでは,児童Aが自身で質問を立て,その結果として話題が増加したことが確認できた。

学級全員の話題と出現回数を集計したものを示す(表7)(表8)。事前のディスコースでは,4項目についてしか話題が挙がらなかった。それに対して,事後のディスコースでは,これらの4項目に加えて,テレビ番組,教科,季節,キャラクター,色,国といった新たな6項目が追加され,全体で10項目の話題が確認された。これは,児童たちがより多様な話題について話すようになったことを示している。

表7 事前のディスコースで見ら

表8 事後のディスコースで見ら

れた話題 n=32

れた話題 n=32

項目

出現回数

項目

出現回数

食べ物

16

食べ物

17

スポーツ動物

ゲーム

10

7

5

テレビ番組スポーツ

動物

14

11

9

ゲーム

6

教科

4

季節

3

キャラクター

1
1

1

休止や沈黙の減少

二つ目の特徴として,事前と事後で休止や沈黙が減少したことが挙げられる。事前と事後を通して,休止や沈黙の減少が確認できた児童Bのディスコースを示す。

児童Bの会話(事前) 児童Bの会話(事後)

  1.   

    T: Where are you from? 03 T: OK. Where are you from?

  2.   

    S: ((3秒の沈黙)) I’m f- (xxx) Aichi. ((fromが不鮮明)) 04 S: I’m from Aichi. How about you?

事前のディスコースでは,児童Bの発言で,沈黙がありその後の“from”が不鮮明で会話が滞っている様子が見て取れる(02)。このことからは,児童Bが発話の中で自信のなさや迷いがあると言うことが予想できる。一方,事後のディスコースでは,児童Bは「S: I’m from Aichi. How about you?」と明確で完全なフレーズを用いて応答している。これは,児童Bが事前よりも自信を持って発話し,円滑にコミュニケーションをしていることを示している。

表9と表10に事前•事後それぞれのディスコースから学級全員の休止や沈黙が見られた回数を以下に示す。全体として,休止や沈黙の頻度は事後のディスコースで減少しており,コミュニケーションがより円滑になったことを示唆している。

表9 休止や沈黙の回数(事前) n=32 表10 休止や沈黙の回数(事後) n=32

状態 回数 状態 回数

1秒以下の休止•沈黙 45 1秒以下の休止•沈黙 33

2秒以上の休止•沈黙 25 2秒以上の休止•沈黙 19

質問数の増加

三つ目の特徴として,事前の調査に比べて事後の調査で質問数が増加したということが挙げられる。事前•事後における学級全体の質問数を集計してみると,事前テストでの平均値は3.2回であったのに 対し,事後テストではその値が4.3回に増加した。これは児童がより自発的に会話を行っていた可能性 を示唆している。

具体的な質問文について見ると,“What 名詞 do you like?” の質問の増加が顕著であった。また,質問文の種類も増加した。これらから,児童がより積極的に質問を行い,会話を進めていたことが推察される(表11)(表12)。

表11 児童の質問数(事前) n=32

質問文

What’s your name?

31

Where are you from?

29

Do you like 名詞?

24

What 名詞 do you like?

12

Do you have 名詞?

7

合計

103

表12 児童の質問数(事後) n=32

質問文

What's your name?

31

Where are you from?

26

What 名詞 do you like?

25

Do you like 名詞?

18

Why?

15

Where do you want to go?

12

Do you have 名詞?

7

How about you?

3

What do you want to eat?

1

合計

138

興味深い話題への関与

四つ目の特徴として,事前と事後を通して興味深い話題への関与が増えたことが挙げられる。児童

Dのディスコースを例として示す。

児童Dの会話(事前)

01 S: What sport do you like? 02 T: I like soccer.

  1. 3.   S: What food do you like? 04 T: I like hamburger.

児童Dの会話(事後)

05 S: What season do you like? 06 T: I like fall.

  1. 7.   S: Fall. ((繰り返し)) Why?
  2. 8.   T: I go on a picnic.
  3. 9.   S: Picnic i- i- ((何か言おうとするが中断。10秒沈黙,質問を考える。))

What picnic do you like? ((どのようなピクニックかを問いたかったと推測される。))

  1. 10.   T: I go to mountains for a picnic.
  2. 11.   S: It’s mountain (xxx) hiking mountain hiking? ((文法は間違いだが何とか伝えようとしている。))
  3. 12.   T: I like hiking. I usually go to Satsukiyama mountain or Myoken mountain.
  4. 13.   S: ((3秒沈黙))(x)((5秒沈黙)) Mountain. It’s see beautiful? ↑ ((文法は間違っている。))
  5. 14.   T: Yes. The view from the summit is beautiful. ((ジェスチャーをしながら分かるように))
  6. 15.   S: Oh, very nice. ((相槌))((10秒沈黙))え((8秒沈黙))What hiking do you like?
  7. 16.  

    T: I like climbing Myoken-mountain.

  8. 17.  

    S: Me too. I (.) 3年 Myoken-san hiking. ((日本語と英語が混ざっている。))

  9. 18.  

    T: When you were 3 graders, you went to Mt. Myoken.

  10. 19.  

    S: It’s fun. Hiking is え tired. ((3年生の時にハイキングで疲れたことを言おうとしている。))

  11. 20.  

    T: Did you enjoy hiking to Mt. Myoken?

  12. 21.  

    S: Yes. ((笑顔))

事前のディスコースでは,児童Dは“What sport do you like?” や“What food do you like?” などの一般的な質問を行うだけであった(02,04)。しかし,事後のディスコースでは,児童Dは具体的なテーマ

「ハイキング」について積極的に質問し,そして自身の経験を共有している(11,13,15,17,19)。これは,児童Dが 話の進行を主体的に行い,興味深い話題に関わろうとしたことを示していると考 えられる。

他の児童にも興味深い話題への関与が見受けられた。例えば,児童Eは事後の対話で“Do you like anime?” “I love Blue Rock.” “Who's your favorite character?” などの表現を使用し,自身の興味を伝えつつ,相手の好きなキャラクターを質問した。そして,児童Gは“I like pancake and ice cream.”“I like basketball and (x) and (x).” という発言で,複数の興味を持っていることを示すとともに“What subject do you like?” という質問を通じて教師の興味を知ろうとした。

これらの例から,児童Dだけでなく他の児童も自身の興味のある話題で会話をするようになったことが確認できた。

事前·事後を通して見られた児童の誤り

32人の参加者の中で,同一の児童が事前•事後で同じ誤りを繰り返していた事例のうち特に多かったものを表13に示す。

言葉の欠落に関して,10人の児童における事前•事後の会話で一貫してこの誤りが確認できた。例として“I from Shiga.”や”I natto.”など,be動詞や一般動詞の省略が見られる。次に,語順の誤りに関しては,8人の児童について“What do you animal like?” のような質問形式の中での名詞と動詞の位置関係の誤りが確認された。構文の誤りは5人の児童に見られ, “I like subject do you like?” や“Do you sport do you like?” のように,適切な質問形式が成立していない例が挙げられる。語彙の誤りについては,4人の児童が “It’s see beautiful?” や“My from Osaka.”のような表現を使用していることが確認された。

事前と事後でこれらの誤りが見られることから,正しい英語を話すという点については,会話補助シートやルーブリックを使用した活動における効果が十分に表れていない可能性があるということが明らかになった。

一方で,「言葉の欠落」「語順の誤り」「構文の誤り」「語彙の誤り」について,事前で発話の誤りがあった児童が事後で訂正された例を調査すると表 14 のように訂正された事例があったことも明らかになった。

表13 事前•事後を通して訂正されなかった児童の誤り 表14 事後で誤りが訂正されていた人数

項目

人数

項目

人数

言葉の欠落

10

I from Shiga. I natto. I hamburger.

言葉の欠落

3

語順の誤り

8

What do you animal like?

語順の誤り

2

構文の誤り

5

I like subject do you like?

構文の誤り

1

語彙の誤り

4

It’s see beautiful? My from Osaka.

語彙の誤り

2

6㸬考察

  1.    発話総語数の増加

児童の発話総語数の増加が統計的に確認された。この要因を調査するため,児童の質問紙の「会話補助シートを用いての学習についてできるようになったことを書いてください」という質問における回答を分析した。その結果,主な要因として次の2点が挙げられる。

第一に,児童が会話補助シートを使用することで発話の自発性が高まったことが考えられる。5人の児童が,「以前は質問されても答えられなかったが,今は自ら話しかけることができるようになった」という趣旨の回答をしている。このことから,会話補助シートの導入が発話の増加に寄与していると推察される。

第二に,会話補助シートが発話内容の広がりに影響を与えたことが考えられる。4人の児童が「英語の会話において,以前に比べて自分の感情や考えを詳細に表現できるようになった」と記述し,また別の3人が「会話補助シートを見ながらリアクション表現を選んで発話するうちに言えるようになった」という回答をしている。これらのことから,会話補助シートが語彙の選択や発話の多様性を増加させ、そのことが発話の増加につながったと予想される。

しかし,教育的公平性の観点から本研究では統制群を設定しなかったため,上述の解釈は結論を導くには限界があり,その点において解釈には注意が必要である。

発話内容の多様化

話題と質問数が増加していることが確認された。会話補助シートに表示される話題やイラストは,新しい話題や質問を引き出すためのきっかけとしての役割を果たしたと解釈される。特に,“What 名詞 do you like? ”という形式の質問の増加は顕著であった。Small Talkで“What 名詞 do you like?” という定型文を使用し,その中の名詞部分を“character”や“animation”などと置き換える活動は,特定の分野における好きなことを尋ねる質問を児童が習得する上で有益であったと考えられる。

円滑なコミュニケーション

児童の発話における休止や沈黙が減少したことが確認された。この変化の背後には,シートに提示されたイラストや文字から受ける視覚的補助の影響が考えられる。具体的な視覚的要素が,会話の内容の具体化や児童の発話内容の想起を容易にし,その結果,流暢性が向上した可能性がある。児童が何を話すべきかを検討している際や,適切な言葉を見つけるのが難しい時,会話補助シートが参照され,会話が滞りにくくなったと推測される。

興味深い話題への関与

児童の興味深い話題への関与に関する結果が得られた。この結果は,会話補助シートの話題提供の役割が関係していることが予想される。Small Talk の活動後には,教師がシート上に示されているテーマから一つを選択し,児童に「この話題について,何を話したいか」という問いかけを行い,児童が英語にできない場合は教師が英語を伝えるようにした。この教師の指導により,児童は与えられた

テーマに沿って,自分の興味がある内容について伝え方を考える機会を得たと推察される。会話補助シートは具体的な発話の内容を示すものではないが,児童の伝えたい会話の話題を提供する共通の基盤としての重要な役割を果たしたことが考えられる。

ルーブリックの 果

事前•事後を通して見られた児童の変化とルーブリックの評価基準における記述の関連を見ることで,その効果を考察する(表15)。

「番組表だけを見て,40秒程度で1つのテーマを元に相手の答えから次の質問を考え,3~4秒以上間をあけずに4個程度の質問を連続でできる」という記述は,児童の発話内容の豊かさや質問数の増加との関連が考えられる。「絵のシート,または番組表だけを見て答えられ,相手にたずね返したり,リアクションが豊富にできる」という記述は,円滑なコミュニケーションとの関連性が考えられる ルーブリックの記述とディスコース分析で見られた児童の変化との関連が見られる。

さらに,児童の事前と事後におけるルーブリックにおける自己評価による到達度を表16に示す。到達度は初段を最高の評価で5級を最低の評価とする。事後において5級の評価を受けた児童が5人に減少し,3級の評価を受けた児童が大半を占め,26人が実践を通して3級以上の到達度に達したことが確認できる。

児童の変化とルーブリックにおける記述の関係が見られることや到達度の変化から基本的コミュニケーション能力が向上した一つの要因として,ルーブリックをもとにした学習の影響が推察される

表15 ルーブリックに示されている1級の評価基準と児童の変化との関連性

評価基準 児童の変化との関連

番組表だけを見て,40秒程度で1つのテーマを元に相手の答え 発話総語数の増加

から次の質問を考え,3~4秒以上間をあけずに4個程度の質問を 児童の発話内容の多様化連続でできる。 質問数の増加

絵のシート,または番組表だけを見て答えられ,相手にたず 発話総語数の増加

ね返したり,リアクションが豊富にできる。 円滑なコミュニケーション普段使わないリアクションも含めて,積極的に用語を使う 発話総語数の増加

表16 事前と事後におけるルーブリックにおける到達度の変化

到達度

事前

事後

5級

27

5

4級

1

0

3級

1

22

2級

1

2

1級

1

0

初段

0

2

話における誤り

事前•事後を通じて変わらなかった,児童の会話における誤りが確認された。特に言葉の欠落,語順の誤り,構文の誤り,語彙の誤りが多く見られた。これらの会話における誤りについて以下の要因が考えられる。

まず要因の一つとして,本研究で使用した会話補助シートとルーブリックは,児童が自然な会話を展開することを重視した教材であったため,会話の中での流暢さやコミュニケーションのスムーズさを重視し,言葉の正確さについては指導があまり行われなかったということがある。次に,指導者側が児童の意欲を維持,もしくは向上させるために,細かな誤りについての指摘を控えめにしたことも影響していると思われる。さらに,個別に学習を進める形式を採用していたため,全ての児童の誤りを完全に把握することが困難だったことが挙げられる。児童自身が自らの誤りに気づくのは難しく,指導の中で誤りが見過ごされた可能性がある。

これらの要因を考慮すると,今後の指導においては,会話の流れを重視し児童の意欲を損ねないようにする一方で,言葉の正確さにも焦点を当てた個別のフィードバックや指導が必要であると言える

7.まとめと今後の課題

本研究は,小学校の外国語科におけるSmall Talkに焦点を当て,会話補助シートとルーブリックの有効性を検証した。その結果,会話補助シートの利用は,児童の発話総語数の増加や話題の増加,発話内容の多様化,円滑なコミュニケーション,興味深い話題への関与といった効果が認められた。また,事前•事後で見られた児童の発話の変化とルーブリックの評価基準には一定の関連性を確認することができた。本研究で得られた知見は,「話すこと」[やり取り]における新たな教材の開発や既存教材の改善に向けた一助となり得るであろう。

最後に,本研究の課題を述べる。児童の発話内容の正確さにおいては,本研究では教材の効果が十分に見られなかった。この点については,教材の改良だけでなく,児童の誤りの訂正方法についての指導の課題も考慮すべきである。児童の会話中の誤りを詳細に分析し,その結果を基に教材と指導法を検討していくことが求められる。

付記

本研究を進めるにあたって,東大阪市立英田北小学校の太田由依子氏には,会話補助シートとルーブリックを提供していただいた。また,四天王寺大学の柏木賀津子教授からは研究全般にわたる指導を賜った。ここに,深く感謝の意を表する。なお,本研究において利益相反は存在しない。

引用文献

泉恵美子•幡井理恵•田縁慎弓 (2020).「小学校英語 Can-Do 及びパフォーマンス評価実践における児童の変容」『小学校英語教育学会学会誌(JES journal)』第 20 巻,36-51.

株式会社イーオン (2021).「小学校の英語教育に関する教員意識調査 2021 夏」https:// www.aeonet.co.jp/ company/information/newsrelease/2109021000.html

古賀真也 (2023).「小学校外国語科「話すこと(やり取り)」における教材の検証 ーSmall Talk における会話補助シートとルーブリックの活用ー 」『学校教育研究』第 38 巻,184-197.

文部科学省 (2017a).『学習指導要領(平成 29 年告示)』https://www.mext.go.jp/content/20230120-mxt_kyoi

ku02-100002604_01.pdf

文部科学省 (2017b).『小学校外国語活動•外国語研修ガイドブック』https:// www.mext.go.jp/a_menu/ko kusai/gaikokugo/ icsFiles/afieldfile/2017/07/07/1387503_3.pdf

村端五郎•村端佳子 (2020).「用法基盤モデルの言語習得観にもとづいた小学校英語の展開」『小学校英語教育学会学会誌(JES journal)』第 20 巻,84-99.

Nikula, T. (2012). On the role of peer discussions in the learning of subject-specific language use in C LIL. Discourse and language learning across L2 instructional settings, 133-153.

山ロ美穂•巽徹 (2020).「Small Talk の継続的な実施による児童生徒の発話パフォーマンスの変化」『小

学校英語教育学会学会誌(JES journal)』第 20 巻,148-163.

資料 1 ディスコース分析の記号

(.)

a short pause that is not timed, less than a second

text=

=text

latching utterances

cut off wo-

cut off word or truncated speech

‘text’

spoken more silently than surrounding utterances

rising intonation

((text))

transcriber’s comments

(text)

transcriber’s interpretation of unclear word(s)

(x)

unclear speech, probably a word

(xx)

unclear speech, probably a phrase

(xxx)

longer stretch of unclear speech

References
  • 泉恵美子•幡井理恵•田縁慎弓 (2020).「小学校英語 Can-Do 及びパフォーマンス評価実践における児童の変容」『小学校英語教育学会学会誌(JES journal)』第 20 巻,36-51.
  • 株式会社イーオン (2021).「小学校の英語教育に関する教員意識調査 2021 夏」https://www.aeonet.co.jp/ company/information/newsrelease/2109021000.html
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  • 村端五郎•村端佳子 (2020).「用法基盤モデルの言語習得観にもとづいた小学校英語の展開」『小学校英語教育学会学会誌(JES journal)』第 20 巻,84-99.
  • Nikula, T. (2012). On the role of peer discussions in the learning of subject-specific language use in C LIL. Discourse and language learning across L2 instructional settings, 133-153.
  • 山ロ美穂•巽徹 (2020).「Small Talk の継続的な実施による児童生徒の発話パフォーマンスの変化」『小 学校英語教育学会学会誌(JES journal)』第 20 巻,148-163.
 
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