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2024 Volume 24 Issue 01 Pages 84-99

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小学生を対象としたフィンランド型ワークブックの

開発とその効果

—授業と家庭学習の連携を目指してー

米崎里(関西学院大学) 多良静也(高知大学) 福井郁(奈良市立六条小学校)

キーワード:家庭学習,教材開発,フィンランド型ワークブック

要旨

日本は外国語として英語を学習するEFL環境にあり,多くの児童は英語に接する機会が学校におけ る限られた授業時間の中でしか得られない。そのため,語彙や表現など授業で学習した内容(以下, 学習項目)を十分に理解•定着させることには困難さが伴う。一方で同じEFL環境にあるフィンラン ドでは,学習項目の理解•定着を図るために,伝統的に教科書と併用で使われているワークブックが, 授業と家庭学習を有機的に結びつけている。Ito(2013)はフィンランドの小学校英語教育の成功の要 因の一つがこのワークブックだと指摘している。ワークブックには,特定の学習項目を何度も繰り返 し定着を図ることを目指し,児童が楽しく取り組めるよう,工夫しながら意識的に使用する経験を持 たせるフィンランド独特の教材編成観のもと,練習や活動など多種多様なプラクティスが提供されて いる。筆者らはこのワークブックに注目し,児童が家庭学習として一人で取り組め,学習項目を学び 直し,理解•定着を図ることができる小学校外国語科用検定教科書(以下,教科書)準拠のプラクテ イスを開発し,日本版フィンランド型ワークブックとしてまとめた。そして,公立小学校6年生を対 象に,このプラクティスの有効性を検証した。その結果,多くの児童はこのプラクティスを家庭学習 として取り組むことができると好意的に評価をした。また,英語の読み•書きにも改善が見られた。 以上のことから,このプラクティスは,日本の小学生にも楽しく学習できるという点で有効であること, また,学習習慣の確立,学習方法の習得などにおいても有益であることが示唆された。

  1.    はじめに

日本の小学校英語教育(以下,小学校英語)は2020年度より新学習指導要領が全面実施され,主に 言語活動を通して各単元で学ぶ語彙や表現に慣れ親しむことで,学習が進められている。高学年の外 国語科においては,限定的ながらも知識として理解し,「読むこと」と「書くこと」も加わり,スキル として使えることが目標となっている。一般的に理解したこと(宣言的知識)を使えるようになる(手 続き的知識)ためには,単なる繰り返しでは十分ではなく,様々なコンテクストで意識的に使用する 経験を重ねることが大事であり(伊東,2014;佐藤•笠原,2022),学習指導要領においても,学習項目 を言語活動の中で繰り返し活用することが重要だとされている。しかしながら,週2時間という限ら れた授業の時間のみで学習項目の理解•定着を図ることは極めて困難である。実際,児童は各単元の 目標語彙や表現を学んだその場では使用できるものの時間が経っと忘れてしまったり(米崎・多良・ 福井,2022),また,目的・場面・状況が変わると適切に使用できないという課題が見られる(山口・ 巽,2020)。学習項目の理解・定着の課題を克服するために,他教科においても家庭学習と授業を有機 的に連携させるための研究が行われている(島袋,2019;篠ケ谷,2022;戸田,2016など)。フィンラン ドの小学校英語では,この家庭学習と授業の連携がワークブックによってなされているのである(伊 東,2014)フィンランドの小学校英語授業は3年生から本格的に始まり週2時間である七日本と 同様に,言語活動を中心に授業が展開されている。しかし,特筆すべき点は,学習項目を定着させ, 繰り返して学ぶことができるワークブックが存在している点である。ワークブックには,教科書で学 習した語彙や表現を繰り返して学習できるように,多種多様なプラクティスが提供されている。ワー クブック内のプラクティスは,ペアワークやグループワークを想定して授業で使えるものもあれば, 家庭学習としてもう一度一人で取り組めるものもある。このワークブックは,学習項目の定着を促す だけでなく,学習習慣の確立といった点で授業と家庭学習を有機的に結びつける上でも重要な役割を 果たしている。

フィンランドで提供されているようなワークブックは日本には存在せず,学習項目の定着という点 だけでなく,学習習慣の確立という点でも今後の日本の小学校英語において大いに参考となる。そこ で本実践では,授業で学んだ項目を家庭学習でもう一度理解を深め,定着を促すことを目的として, 教科書の内容に合わせた日本版のフィンランド型プラクティスを開発し,ワークブックとして児童へ 課し,学習項目の理解•定着や学習習慣の確立といった点で家庭学習と授業を有機的につなぐことが 可能かを児童や指導者へのアンケート調査を通して検証した。

  1. 2.   先行研究

2.I認知プロセスとプラクティスの関わり

小学校英語においては,英語の基本的な表現に慣れ親しむとともに,それらを活用できる基礎的な 技能を身につけることが目標とされている。たとえ基本的な表現であっても実際に活用できる基礎的 な技能を身につけるためには,第二言語習得の認知プロセスが関わってくる。

図1は村野井(2012)と米崎・川見(2020)を基にして,認知プロセスと各プラクティスがどのよ うに関わっていくかを示している。図1中央下の①のプラクティスは,認知プロセスの理解を促進す るためのものである。ここでは,学習項目を口頭で導入したり提示したりして,学習項目の形式,意 味,機能を理解させる活動が行われる。ただし,小学校英語では形式を示すことは限定的であるため, 主に意味と機能の理解を促進させる活動が中心であろう。

図1②のプラクティスは,内在化を促進させるためのものである。内在化とは,理解された学習項 目が言語知識として定着する段階を指す。この段階では,ある程度の目標表現の反復練習が必要であ り,有意味パタンプラクティスやコミュニケーションドリルなど,使用を促すことを目的としたプラ クティスが必要と考えられている。

図1③のプラクティスは,内在化された言語知識が学習者の言語システムにより深く入るのを促進 させるためのものである。学習項目を用いて言語を実際に運用する活動,例えば,自己表現や実際の 言語使用に近いコミュニケーション活動などが必要と考えられている。

以上のことから,学習者の言語能力の育成には,たとえそれが基礎的なレベルであっても,コミュ ニケーションを基盤とした様々な言語使用を意識したプラクティスの機会が必要であることは明らか である。つまり,表現活動を行うためには質量ともに十分な理解,練習のためのプラクティスが必要 だということである。

2.2フィンランド型プラクティスの特徴

2. 2.1non-, pre-communicativeプラクティスが大事に扱われている

ワークブックにあるプラクティスの種類はLittlewood (2004)を参考に,non-communicativeプラク ティス,pre-communicativeプラクティス,そしてcommunicativeプラクティスの3種類に分類できる が,non-およびpre-communicativeプラクティスの割合が圧倒的に多い(米崎・川見,2020 )。 Non-communicativeプラクティスは上掲の図1の①形式・意味•機能の繋がりを理解することを目的と したプラクティス,pre-communicativeプラクティスは,②言語項目を定着させることを目的としたプ ラクティスと等しい。Non-communicativeプラクティスは,繰り返しやパタンプラクティスの要素が強 く,目標表現の練習に限定した活動であり,学習者の活動が受け身になりやすい等の理由で批判され ることもある。しかしながら,これらのプラクティスは,言語形式と意味•機能を結びつける役割を 果たし,次のコミュニケーション活動の橋渡しとして必要なプラクティスである(Carlson, 1997;高島, 2011; Van den Branden,1997)。日本ではnon-communicativeプラクティスは,教室活動の周辺に追いや られてしまった感があるが(平嶋,2007),フィンランドでは大切に取り扱われている。 Non-communicativeプラクティスであっても,ゲーム感覚を取り入れたりしながら,手を替え品を替え 児童が楽しく取り組めるような形となっている。フィンランドのワークブックと比べると,日本の教 科書は言語活動で使用する語彙や表現に関するプラクティスが提供されているものの,その量はフィ ンランドと比べるとはるかに少ないため(米崎・川見,2020),上掲図1の十分な①や②のプラクティ スを経ず,③のプラクティスを行わせている感が否めない。

  1. 2.   一人で解けるような工夫がされている

また,これらのプラクティスは,学習項目を家庭で一人で解けるよう,同じ学習項目であっても, 形を変えて尋ねたり,同じページのどこかに答えやヒントが与えられていたり,順番にプラクティス を解いていけば,必ず最後まで到達できるような工夫がなされている。

2.2.3学年内,学年間を意職したスパイラル構成になっている

さらに学年内•学年間でスパイラルに学習できるようになっていることも大きな特徴である。各ユ ニットで学習する語彙や表現に関するプラクティスは,多種多様なものが提供され,繰り返して学べ るようになっていることに加え,3から4ユニットの学習が終わるとさらに復習のページが提供され ている。ここでは,これまで学習した語彙や表現が統合されたプラクティスが提供され,もう一度学 び直しを行うことができる。また,学年内,学年間をまたいでも繰り返して学習できる仕組みになつ ており,例えば一般動詞の現在形に関しては,3年生でplayやlikeの動詞を学習したとすると,4年 生,5年生では新たな動詞を加えながら,もう一度playやlikeも学べるようになっている。

2.3小学校英語と家庭学習

学習指導要領(文部科学省,2017)2では,確かな学力のために,「家庭との連携を図りながら,予習・ 復習など家庭での学習課題を適切に課したり,発達の段階に応じた学習計画の立て方や学び方を促し たりするなど家庭学習も視野に入れた指導を行う必要がある(p. 24)」と示されており,小学校の段階 で学習習慣を確立することの重要性を謳っている。篠ケ谷(2022)も,学習者の学ぶ力を育成するた めに,小学校の低学年から中学年の段階では,学校の授業とは異なる場で,一人でも学習できるよう にすることが重要であるとし,特に高学年では,学習の質を高め,深い理解を意識した家庭学習へと シフトしていくことが求められるとしている。さらに,自律した学習者の育成の観点からも,Stoeger & Ziegler(2011)は,一人で学習に取り組む場を提供することが重要であるとしている。また,篠ケ 谷(2022)は,家庭学習では,単に宿題を課すだけでなく,何が理解できたか,理解できていないの かプランニングやモニタリングといったメタ認知方略を使いこなせることが大事であると指摘してい る。メタ認知能力が発達するのも小学校高学年ごろだと言われているため,他教科と同様,外国語科 においても家庭学習との連携はこれから非常に重要な課題となってくるのである。

効果的な小学校英語の指導のあり方に関して,長谷川(2023)は,家庭学習との連携を指摘してい る。長谷川は小学校英語の早期化•教科化に対応した指導のあり方を考え,小学校英語を経験した中 学校1年生を対象とし,聞き取り調査を行った。その結果,英語の授業や学習を理解できている生徒 の家庭学習の習慣(宿題,予習・復習)が身についている割合が有意に高いことが示されている。今 後の小学校英語において,学習項目を理解•定着させるために,通常の授業の工夫はもとより,家庭 学習を有機的に組み込み,理解•定着を意図した家庭学習の習慣を身につけるよう指導することが重 要であると指摘している。

なお,家庭学習との連携には,児童の一定程度の読む力・書く力が必要になるが,最近の小学校の 英語教育の研究において読み•書きの研究対象が中学年,低学年にシフトしていることを考えると(例 えば,青山・畑江•段本,2016;物井,2023;酒井・田縁・物井,2019など),今後の学習指導要領にお ける読み•書きの指導は中学年やさらには低学年にシフトしていくことが考えられる。ゆえに,本実 践のように,一定程度の読む力•書くカのある児童に対する家庭学習の研究の必要性が高まっている

と言っても過言ではない<

2.4筆者らが開発したフィンランド型プラクティスの特徴

筆者らは,フィンランドの小学校英語で用いられているようなプラクティスを,日本の小学校英語 の状況に合わせて作成する取り組みを行ってきた。当初,教科書はまだ出版されていなかったため,

フィンランドのワークブックで提供されている学習項目や配列 図2開発したワークブック

順序を参考にして作成し,冊子としてまとめた(図2)。開発途 中で教科書が出版されたため,研究協力校が採択した教科書で 取り扱われている学習項目と配列順序に変更を加えた(付録1)。 なお,一人一台の端末環境の実現を利用して,音声や解答に関 しては端末上で提供し,児童は学校だけでなく家庭においても, そのコンテンツをいつでも聴いたり見たりすることができるよ うにした。なお,筆者らが開発したプラクティスを本稿ではフ インランド型プラクティスと呼ぶ。

2.4.1学習項目を繰り返して学ぶ

教科書では,学校の授業で学習したことを家庭で一人でじっくり学び直したり,取り組んだり,繰 り返して学ぶプラクティスが少なく,定着を図る手立てがない。ゆえに,本ワークブックでは学習項 目を繰り返して学ぶことができるフィンランド型プラクティスを提供した。

各ユニットは,語彙や表現に関するプラクティス(non-, pre-communicativeプラクティス)が統合 的な言語活動(communicativeプラクティス)に先行する形で構成されている。各ユニットのおよそ

の展開図を示すと図3になる。

例えば,教科書のレッスンでは,レストランなどで注文を尋ね合う表現“What would you like?”, “I’d like ~.”また,値段を尋ね合う表現“How much is it?” , “It’s ~ yen”を学習する。この学習項目 に対応する本ワークブックは,Workbook IIのUnit 3に該当し,このレッスンでの学習語彙は食べ物・ 飲み物,(3桁の)数字であり,学習表現は“What would you like for ~ア’,“I’d like ~.”および“How much is ~?”,“It’s ~yen”である。本ワークブックのプラクティス例を表1に示す。なお,ワーク ブックにはターゲットセンテンスや新出語彙の提示,チャンツ•歌も提供しているが表1ではそれら

は省略している。

表1ワークブックのプラクティス例

おう」)

また,Unit 3では3桁の数字のプラクティス,値段を尋ねるプラクティスも含まれているが,こち

らも紙面上の関係で割愛する。なお,表1の左列の丸付き番号は,前掲図1のプラクティスの種類(① 形式・意味・機能の繋がりを理解することを目的としたプラクティス,②学習項目を学習者の内部に 定着させることを目的としたプラクティス,③学習項目を用いて言語を運用することを目的としたプ ラクティス)を示している。

  1. 2.   一人で行えるプラクティスの提供

学習した語彙や表現の筆写や音読,機械的なドリル のプラクティスはもちろんのこと,授業で学習した内 容を異なるコンテクストで繰り返し学べ,そして何よ り,一人でも楽しく取り組めるようなプラクティスを 豊富に提供している。例えば,図4のように学習した 単語を消していくことでメッセージを読み取るプラク ティスである。活動と言えば通常はペアやグループワ ークでのコミュニケーションを通して行われるべきで あるという意見もあるが,一人でできるタスクは学習 習慣の形成や自律学習の基盤形成に繋がる可能性が高 く (伊東,2014),このようなプラクティスももっと注 目されるべきである。

2.4.3覚える学習からわかる学習へ

本実践では,語彙や表現を覚えるだけではなく,プ ラクティスを通して使いながら学び,児童自らが文法 のルールに「気づく」ことを心がけ,プラクティスを 準備している。例えば,図5はbe動詞と一般動詞have の区別が理解できているかを確認するプラクティスで ある。このプラクティスは,イラスト内の男の子や女 の子または猫の立場から,どちらの英語が適切かを選 ばせるものである。このようにbe動詞や一般動詞have の文法規則を理解できなくても,イラストを通じてそ の意味と機能に気づかせることができる。

  1. 3.  

    研究方法

3.1参加者と倫理的配慮

本実践における対象者は,2022年度奈良市立A小学校6年生4クラスの児童92名である(以降の 学年表記はすべて小学校の学年である)。実施に先立ち,参加校の学校長に研究の内容について直接説 明を行い,本実践への協力について了解を得た。また,研究の趣旨並びに個人情報は匿名化され適切 に管理される旨を参加児童に説明した。

  1. 2.   A小学校の外国語カリキュラム(「読むこと」と「書くこと」)

ワークブックを家庭学習として一人で学習するためには,文字や単語,文の読み•書きが一定程度

できることが前提となるため,まず,A小学校の「読むこと」と「書くこと」に関する指導内容をま とめる(図6)。

A小学校では1年生から英語学習が開始され,1,2年生では週3日15分間,朝学習のモジュール にて英語に触れている。この学習では,絵本の読み聞かせ,歌,ゲームなどを通じて,児童に英語に 対するポジティブな経験を提供することを目的としている。

3, 4年生ではLet's Tryを使用して外国語活動を行っている Let's Tryに準拠した指導を行いつつ, 高学年の「読むこと」と「書くこと」の活動にスムーズに移行できるように,段階的に文字指導,フ オニックス指導を取り入れている。文字指導では,アルファベットの名称読み,なぞり書きや写し書 きといった書く活動を積極的に取り入れ,高学年の単語(語句)や表現のなぞり書き,写し書きに繋 げている。また,4年生時,国語の授業でローマ字を学習する際に,一部の名詞については英語のへ ボン式で教えている(例:「ち」はtiではなく chiで,「し」はsiではなく shiで,「ふくい」はHukui ではなく Fukuiで教える)。この理由は,高学年になり,英語で名前を書く際に訓令式の表記から抜け 出せない児童がいるため,最初からヘボン式で教える方が児童の混乱を防ぐために有効だと考えてい るからである。

図6 A小学校の「読むこと」「書くこと」の取り組み

文字言語に基づく「話すこと」や文字言語の受信が不十分な中での「書くこと」にならないよう(粕 谷,2023)気を配りながら,5, 6年生では,教科書の文を積極的に音読している。また,教科書付属 のPicture Dictionaryの巻末の基本文も,朝学習やモジュールの時間を活用して,音読の練習を行って いる。一方「書くこと」に関しては,児童は学習した表現を全体的なひとかたまりとして,あたかも 音声言語として1語のように捉える(例えば,Give me milkを‘ Gimmemilk’(村端・村端,2020, p.149)) 傾向があるので,学習した単語(語句)や表現のなぞり書きや写し書きを行っている。

このように,A小学校では高学年の「読むこと」と「書くこと」の基礎的な技能にスムーズに繋げる ために,低学年•中学年のモジュール学習を有効に活用し,3, 4年生から先行して「読むこと」と 「書くこと」の連続性を持った指導を行っている。

3.3手順

開発したフィンランド型プラクティスをまとめたワークブックを児童に配布し(前掲図2のEnglish Workbook I),1学期はワークブックに慣れてもらうために一部を授業中に使用した。その後,徐々に 家庭学習へ移行し,2学期からは授業で取り扱わずに家庭学習で取り組むように指示した。第一筆者 が合計4回ワークブックを活用した授業を行い,その後,学級担任が引き継いだ。第一筆者の授業で は,各クラス,ワークブックだけを使った授業を45分間4回実施した。教室内ではペアやグループで のプラクティスを中心に行い,個人作業に適したプラクティスを家庭学習に回すなど,授業と家庭学 習の連携を心がけた。この間,家庭学習の際にワークブックを活用する方法も児童に指導した。例え ば,「英語を聞いて,英語を繰り返して言ってみよう」といった指示では,タブレットから音声を再生 し,初めは文字を指でたどり聞き,その後音声と一緒に何度も繰り返して音読すると良いことを伝え た。また,タブレット内に収録している解答を確認する活動も行った。

学級担任によるワークブックの活用は,学級担任の裁量に委ねた。授業時間に10 -15分の時間を割 いて活用したり,朝の学習時間で活用したり,また,児童に自分の好きなタイミングで取り組むよう 声がけを行ったりするなど,指導方法は担任によって異なった。学年として1学期末までには,Lesson 7までの50ページ分(資料1)を終了することを目標にした。

2学期にはワークブック2冊目(前掲図2のEnglish Workbook〃)を児童に配布し,家庭や学校の休 み時間,放課後や朝の学習時間など,授業外で約半年間(2022年9月-2023年2月)取り組んでもら った。この間,ワークブックの活動を児童に丸投げするのではなく,学級担任が関わりながらサポー 卜を行った。具体的には,ワークブックの進接状況の把握をし,取り組めていない児童に声をかけ, ときには個別指導を行った。また,第三筆者は,A小学校の研修部英語教育担当者であり,自身のク ラスだけでなく,学年全体の中で,個別にサポートが必要な児童に対して声をかけ,理解が難しい箇 所について指導を行い,さらに要望があれば個別指導を行った。

2月末には,第一筆者が再度A小学校を訪れ,児童に家庭学習で取り組めたかアンケート調査を行 った。

  1. 4.   箱果と考察

本章では,フィンランド型ワークブックを用いた家庭学習の効果について論じる。本来であれば, 児童の英語カへの効果をテストを通して論じるべきであろうが,授業の効果とプラクティスの効果を 切り離して分析することが困難であるため,ここでは(1)ワークブックに対する児童の評価,(2) 児童の家庭学習の様子を間近で見てきた学級担任が考えるワークブックの効果について論じる。

4.1ワークブックに対する児童の評価

ワークブックに対して児童はどのような評価を持ったかを調査するために,自由記述を含む4件法 によるアンケート調査を行った。本実践ではアンケート項目の中から3つの項目(表2)に焦点を絞 り,家庭学習として成立しているかどうかの考察を行う。

表2本節で取り上げるアンケート項目

Q1 ワークブックを一人で取り組めた

Q 2ワークブックは英語学習に大いに役立った

Q3ワークブックを通して,英語の学習方法が身についたと思う

Q1の「ワークブックを一人で取り組めた」かどうかに対しては,全体の?9.41%が「そう思う」「ど ちらかといえばそう思う」と回答した(図7)。また,児童が実際どの程度ワークブックに取り組めた かを調査した。児童に配布したワークブックは2冊で,1冊目が140ページ,2冊目が120ページと なっている。ページ数に応じて,4つのグループに分類したところ(表3),グループAは,ワーク ブック2冊とも終えた児童で(完成度100%),13名(全体の14.13%)であった。グループBはワーク ブック2冊目の?0ページ以上を終えた児童で(完成度75%), 30名(全体の32.61%)であった。グル ープCはワークブック1冊以上完成した児童で(完成度50%), 38名(全体の約41.30%)であった。 そして,グループDはワークブック1冊目の?0ページ以上を完成した児童で(完成度25%),11名

(全体の11.96%)であった。授業では第一筆者が1冊目の50ページまで行ったので,進接状況は児 童によって異なるが,少なくとも児童全員が家庭や放課後などを利用して,一人でワークブックを取 り組んだことになる。

また,ワークブックの進接状況によって,Q1「ワークブックを一人で取り組めた」かどうかに関 しての回答に差があるかを調査するために,R 4.3.1 for Windowsを用いてカイ2乗検定を行った結果, グループ間の偏りに有意差が見られた。(だ(9) = 32.77, p < .01Cramer's V = 0.35 (効果量中))。残 差分析の結果,グループA (完成度100%)では「そう思う」,グループB (完成度75%)で「どちら かといえばそう思う」,グループD (完成度25%)で「どちらかといえばそう思わない」「そう思わな い」と答えた学習者が有意に多く,また,グループA (完成度100%)で「どちらかといえばそう思 う」と答えた学習者が有意に少なかった(表4)。

表4_一人でワークブックに取り組めることができましたか(単位:% 一(人数)_))

グループ A B C D
そう思う 84.62 (11)* 50.00(15) 55.36(21) 36.36(4)
どちらかといえばそう思う 0.00(0) ** 46.67(14) * 39.47(15) 9.09(1)
どちらかといえばそう思わない 7.69(1) 3.33(1) 0.00(0) 27.27(3) **
そう思わない 7.69(1) 0.00(0) 5.26(2) 27.27(3) **
合計 100 100 100 100
(人数) (13) (30) (38) (11)

表内の・は残差分析のp値:*p< .05, **p< .01

この結果について,グループごとに児童の意見の違いを確認するために,各グループからの意見を まとめてみた。まず,グループA (完成度100%)やB (完成度75%)の児童は,この項目に対して 好意的な意見がほとんどであった。以下はその抜粋である。

•ワークブックに絵などが書いてあって,あきずに楽しんでできた。

•簡単でやりやすく,わかりやすく,音声つきの問題などで楽しかった。

•ワークブックは夜でも自分から取り組もうと思えた。英語は苦手だけれどワークブックをして いると自分も英語ができるみたいな気分になって楽しかった。

一方で「難しかった」「量が多い」といった非好意的な意見もあった。しかし,難しさや量の多さに もかかわらず,「難しかったけれど頑張ったので達成感がある」「難しいところもあったが全てできて, 自分は満足している」という記述にあるように,最終的には努力し続け,達成感を感じたのが特徴的 であった。

グループ¢ (完成度50%)やD (完成度25%)の非好意的な意見の主要な要因は圧倒的にワークブ ックの難しさであった。以下はその抜粋である。

•難しかった。一人じゃ多分できないと思う。

•難しかった。聞いて書くやつが難しかった。

•難しくて全然取り組んでいない。

しかしながら,グループC (完成度50%)やD (完成度25%)の中でも「わかりやすかった」「楽 しく取り組めた」「復習ができた」という好意的な意見も散見されたことは特筆すべきことである。

Q2の「ワークブックは英語学習に大いに役立った」に対しては,全体の84.78%が「そう思う」「ど ちらかといえばそう思う」と回答している(図8)。

図8「ワークブックは役立った」への回答結果

表5 ワークブックは英語学習に大いに役立ちましたか(単位:% (人数))

A B C D
そう思う 46.15(6) 60.00(18) * 35.00(14) 9.09(1) *
どちらかといえばそう思う 46.15(6) 30.00(9) 47.50(19) 45.45(5)
どちらかといえばそう思わない 0.00(0) 6.67(2) 7.50(3) 45.45(5) **
そう思わない 7.69(1) 3.33(2) 5.00(2) 0.00(0)
合計 100 100 100 100
(人数) (13) (30) (38) (11)

表内の・は残差分析の"値:*p < .05, **p < .01

また,ワークブックの進接状況別に,カイ2乗検定を行った結果,グループ間の偏りに有意差が見 られた(%2 (9) = 22.28, p < .01, Cramer's V = 0.28 (効果量小))。残差分析の結果,グループB (完成度 75%)では「そう思う」,グループD (完成度25%)で「どちらかといえばそう思わない」と答えた学 習者が有意に多く,グループD (完成度25%)で「そう思う」と答えた学習者が有意に少なかった(表 5)。

この結果について,グループごとに児童の意見の違いを確認すると,グループA (完成度100%) やB (完成度75%)の児童は,この項目に対しても好意的な意見がほとんどであった。以下は自由記 述の抜粋である。

•自分で書いたり,音声を聞いたりして役に立った。

•使いやすく学習に役立った。

•語順や単語について詳しく,かつゲームをするような感覚で英語を身につけることができるワ ークブックは本当に良いと思うし,役立っと思った。

•私は英語は苦手ですが,ワークブックはわかりやすく英語の勉強になります。

グループ¢ (完成度50%)やD (完成度25%)でも,「難しかったけど勉強になった」「英語の基礎 を固められたので嬉しかった」という好意的な意見が見られた。

好意的な意見が見られたが,ワークブックの進接状況が低い児童には役立つと実感ができていない 結果となった。実感がないため取り組めなかったのか,取り組めなかったから実感が出なかったのか は今後検証が必要である。

Q3の「ワークブックを通して,英語学習の方法が身についたと思う」に対しては,全体の80.43% が「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と回答している(図9)。

図9「英語学習の方法が身についた」への回答結果

表6_ワークブックを通して、一英語の学習方法が身についたと思いますか(単位:% Q数))

A B C D
そう思う 69.23(9) * 40.00(12) 42.11(16) 9.09(1) *
どちらかといえばそう思う 30.77(4) 43.33(13) 36.84(14) 45.45(5)
どちらかといえばそう思わない 0.00(0) 10.00(3) 21.05(8) 36.36(4)
そう思わない 0.00(0) 6.67(2) 0.00(0) 9.09(1)
合計 100 100 100 100
(人数) (13) (30) (38) (11)

表内の・は残差分析の値:*p <.05, **p < .01

また,ワークブックの進接状況別に調査し,カイ2乗検定を行った結果,グループ間の偏りに有意 な差は見られなかったものの(%2 (9)=15.74, p = 0.07, Cramer's V = 0.24 (効果量小)),残差分析の結果, グループA (完成度100%)では「そう思う」と答えた学習者が有意に多く,グループD (完成度25%) で「そう思う」と答えた学習者が有意に少ない傾向が見い出せた(表6)。

この結果に関して,グループD (完成度25%)の児童の自由記述が見られず,また,全体でも少な かったのでグループA (完成度100%), B (完成度75%) C (完成度50%)をまとめる。以下が児童 の意見である。

•難しかったけど,英語の勉強の仕方が身についたと思う。

•ワークブックをしていると,英語が頭に入ってくる感じでとても楽しかった。

•英語を書くことが大事だとわかった。

•英語のワークブックのおかげで英語ができるようになった。

児童の意見の中で「英語の勉強の仕方が身についた」と述べられているが,「英語の勉強の仕方」に 関して別の児童は,「より英語を聞く,書く,話す,読むがワークブックでより上手になったと思う」 と具体的に述べている。さらに別の児童は「単語などを覚えるときは,音声と一緒に声に出し,たく さん書くことが必要だと思った」と述べている。

また,上記の意見の中に「英語が頭に入ってくる」と述べられているが,その理由として,別の児 童の記述を引用すると「いろんなテーマがあり,いろんな練習ができた」「絵などがヒントになり,わ かりやすかった」「わかりやすく気軽に取り組めて良かった」「ゲーム形式的な感じで楽しかった」こ とが挙げられる。フィンランド型プラクティスを継続的に楽しみながら取り組むことで,児童は自分 に合う英語学習方法を見つけ出しているようにうかがえ,伊東(2014)が指摘する英語における自律 学習の姿勢が小学校の段階で芽生えているようである。

4.3担任が考えるワークブックの効果や可能性

本節では,指導にあたった複数の学級担任から聞き取ったワークブックの効果や可能性についてま とめる。

4.3.1児童が楽しみながら学習に取り組め,自主学習の促進ができたこと

ワークブックの進接度は児童によりけりであるが,児童が楽しみながら学習に取り組め,自主学習 の促進ができたことが効果の一つにあげられる。児童のほとんどが授業外で英語を習っておらず,そ ういう児童もワークブックを一人で家庭学習として取り組め,ワークブックそのものに対して拒否反 応を示す児童はいなかった。その理由として,ゲーム感覚で行えたり,イラストを通して理解できる プラクティスが多く含まれていること,また,結びつけるだけ,選ぶだけのプラクティスも多く,ス ローラーナーにも対応できていたためだと考えられる。

4.3.2復習として家庭で繰り返し学習することで,授業で学習した内容のさらなる理 解や定着ができたこと

授業で学習した項目を復習として繰り返して学び直すことができ,児童は,授業では何となく理解 できたものを,ワークブックで定着でき,英語がわかったと実感したようである。このワークブック は,ドリル的な練習要素があるプラクティスも含まれている。楽しさだけではなく,解くのが少々面 倒であっても「わかった」という気持ちを持たせることが大事である。

4.3.3英語を声に出して読める児童が増えたこと

授業で音と意味を結びつけ,それをさらにワークブックで文字との結びつきを強化することができ たため,「読むこと」が促進されたのではないだろうか。また,これまで一つの表現を音の連続として 捉え,単語分けの認識がなかったが,ワークブック学習によって,単語分けの感覚が身につき,単語 と単語の間にスペースを入れて書くことができるようになったようである。全員ではないが,多くの 児童がまとまった文を書けるようになったのも本ワークブックの効果の一つであろう。

5.まとめ

小学校外国語科において学習項目を言語活動の中で繰り返し活用させることが謳われているものの, 週2時間という限られた授業の時間では,内容を消化しきれない場合もある。このため,他教科同様, 授業と家庭学習を連携させることを本実践では提案し,フィンランドのワークブックにあるような児 童が授業で学んだ内容を復習できる自主学習の要素を含んだ教材を開発した。そのプラクティスをま とめたワークブックを,奈良市立A小学校6年生児童に配布し,約半年間取り組んでもらったところ, ワークブックの進接状況は児童によるが,家庭学習として概ね取り組むことができた。また,ワーク ブックに対する児童の反応は,量が多い,難しいと感じた児童は一部見受けられたものの,多くの児 童はワークブックを使った家庭学習を好意的に捉えていた。

成果は見られたものの,家庭学習に教員がどのように介入していくかを検討することが今後の課題 である。今回は学級担任が,家庭学習を取り組みにくい児童に対して,声かけや個別指導といった介 入を行ったため比較的うまくいった。家庭学習においては,児童に丸投げするのではなく,教員の介 入は必須で,どのような介入が有効であるかは今後の課題である。これに対しては,例えば,現タブ レットシステムに,動画で解説するコーナーを設け,児童がいつでも動画を視聴して学習することも 一つの案である。そして教科書の学習項目の配列順序に対応したものを作成する必要がある。本ワー クブックは,教科書の学習項目の配列順序に必ずしも一致しておらず,教員によっては,授業との併 用は難しいという意見もあった。各出版社の教科書の学習項目の配列順序に合わせたワークブックの 提供が必要とされる。また,ワークブックが児童の英語力にどのような効果をもたらすのかに関する 調査も必要である。

小学校外国語科の授業では,「刹那的でその場でカタコトと記憶と闘いながら言葉を紡いでいれば良 し」とするのではなく(粕谷,2023, p.20),中学・高校の英語の下支えになる英語力をつける必要があ る。そのためには学習項目の理解と定着が必要であることは誰もが分かっているが,その方法はまだ 日本の小学校外国語科では確立されていないといっても過言でない。日本の小学校英語はまだ始まつ たばかりで,今後はさまざまな実践と研究が行われ,小学生の英語力向上に向けた指導法について議 論が進んで行くことになる。限られた授業時間の中だけでの英語力向上は極めて難しく,家庭学習と の連携は必要不可欠である。このワークブックは学習項目の理解・定着の方法が示唆されている。実 際,8割の児童たちが,ワークブックを通して英語の学習方法が身についたと思うと回答しているこ とは特筆すべきことである。本実践で使用されたフィンランド型ワークブックは自律する英語学習者 の芽生えを助け,授業と家庭学習を効果的に結びつけてくれる点で将来的に大きな可能性を秘めてい ると言っても過言ではない。また,教員の働き方改革が叫ばれている中,学級担任や英語科教員が個 別にこのような教材を作成するのではなく,言語政策の一環として,統一したワークブックが検討さ れることも必要であろう。

  1.    フィンランドでは,2020年より小学校1年生で週1時間の英語授業が開始されたが,これは language showerと呼ばれる期間であり,本格的に学習するのは小学校3年生からとなっている。詳 細は伊東(2014)や米崎(2020)を参照。
  2.    第3章教育課程の編成及び実施の2.「生きる力を育む各学校の特色ある教育活動の展開(1)確 かな学力」( https://www.mext.go.jp/content/220221-mxt_kyoiku02-100002180_001.pdf)より抜粋。

謝辞

本実践は,科学研究費補助基礎研究(C) (22K00727)の助成を受けています。実践校の多大なるご 理解とご協力に感謝いたします。また,査読者の先生方からは貴重なご助言を数多くいただきました。 感謝の意を表します。なお,開示すべき利益相反関連事項はありません。

引用文献

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付録1英語ワークブの学習項目と語彙の一覧(紙面の都合で一部のみ)

(英語ワークブックIはL18まで,英語ワークブックIIはL14まで作成)

References
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