抄録
細根(根直径2mm以下)は森林生態系の炭素循環の中で重要な構成要素の一つである。近年、生物多様性が注目されており、森林の多様性が細根バイオマスに与える影響が研究されてきた。これまでの研究でカナダの北方林において単一樹種林よりも混交林で細根のバイオマスが高かったという報告や(Brassard et al. 2011)、広葉樹の単一樹種林と混交林で細根バイオマスに差がなかった例もある(Meinen et al. 2009)。本研究では森林の多様性が細根バイオマスに与える影響を明らかにすることを目的に、フィンランド北方林のドイツトウヒとシラカンバの単一樹種林、混交林において細根バイオマスを比較した。土壌サンプルは2012年9月に直径38㎜のオーガーを用いて土壌深さ20㎝まで取得した。土壌サンプルから細根のみを取り出し、混交林では形態で樹種別に根を分けた。根は洗浄した後乾燥させ、重さを測定した。細根バイオマスはドイツトウヒ林で355gm-2、シラカンバ林で277gm-2、混交林で251gm-2であった。それぞれの森林において細根バイオマスに有意な差はみられなかった。