抄録
バイオマスエネルギーについては、バイオマス・ニッポン総合戦略等により政策的に推進が行われてきたものの、ほとんどの事例は成果があがっていないとの指摘がある。したがって、今後の推進に当たっては、既存の利活用事例の分析により課題を適切に整理することが不可欠である。
そこで本報告では、バイオマス利用の形態として特に重要な熱利用について、平成24年度林野庁補助事業「木質バイオマスの効率的利用を図るための技術支援」等の一貫として実施した全国10ヶ所程度の事例調査に基づき、実態把握及び課題分析を行った。
その結果、コスト面での定量的な分析は、自治体を含む事業者がコスト開示に積極的ではないこと、エネルギー生産量や効率などのデータが取得・整理されていない場合が多く、困難であることが分かった。
技術面では、計画段階で、①経済性の検討が十分ではない、②熱需要の量・変動に合わせた適切な出力のボイラが導入されていない、③供給可能な燃料に合わせた適切なボイラが導入されていない、などの課題があった。
発表では、導入プロセスの各段階での課題を整理するとともに、課題解決のための方策についての提案を行う。