日本森林学会大会発表データベース
第124回日本森林学会大会
セッションID: N01
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生態
アシウスギーブナ混交林におけるエタノールに誘引されたキクイムシ類
*飯塚 弘明後藤 秀章山崎 理正大澤 直哉
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抄録
京都大学芦生研究林においてブナから脱出するキクイムシ類と、エタノールに誘引されるキクイムシ類の捕獲方法による違いを調査した。ブナから脱出するキクイムシ類は2007年と2008年の5月から11月まで、樹幹上の穿入孔にチューブトラップを設置して、定期的にサンプリングした。同時に、3個の衝突板トラップを1.5mの高さに30m間隔で設置し20%エタノールを誘引剤に用い、2007年と2008年の5月から10月まで、約30日に一度の頻度で24時間サンプリングした。ブナにて10種844個体、エタノールトラップにて21種1152個体が捕獲された。ブナにて捕獲された10種の内、3種はブナを寄主とする報告がなかった。エタノールトラップにてのみ捕獲された14種の内、8種はブナを寄主とする報告がある種であった(e.g. 加辺 1959, 1960; 野淵 1984)。ブナにて捕獲されたキクイムシ類ではPlatypodini族が、エタノールトラップにて捕獲されたキクイムシ類ではXyleborini族とScolytoplatypodini族が優占し、エタノールに誘引される程度が族により異なる可能性が示唆された。
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© 2013 日本森林学会
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