抄録
2011年3月に発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故では周辺の森林にも放射性物質が降下した。これらの森林の多くは河川の上流にあり、冬に雪が積もる地域もあるため、雪解けの増水にともなう放射性物質の流出を心配する声があった。ただ、実態を把握するための情報は必ずしも十分とは言えなかった。そこで、事故翌年の3月より福島県内6箇所の森林を流れる渓流水の放射性セシウム濃度の調査を行った。その結果、渓流水の放射性セシウム濃度が増水時に高くなる場合があり、その時に渓流水が含む放射性セシウムは主に浮遊物質に由来するものであることが示唆された。