抄録
<背景・目的>本報告では様相の異なる森林風景を注意回復尺度で評価し、区別可能かどうか、および気分状態の評価と整合性が取れるかどうかを検討する事を目的とする。比較の対象としたのは日本の森林風景(姫路市安富町)とフィンランド(Ilomantsi)のそれである。
<方法>大学生・専門学校生(335名、女性206名、男性128名、不明1名、平均年齢20.1歳(SD=4.1))を対象として、両者の森林風景4枚ずつをスライドでエンドレスに提示しながら、その森の中にいるという設定で質問紙に回答させた。測度は日本語版注意回復尺度等の注意回復関連質問と気分状態関連質問(POMSおよびPANAS)であった。なお、日本→フィンランドの順に回答したものは168名、その逆は167名であった。
<結果と考察>全ての測度において1%および0.1%有意でフィンランドの森の方がよい評価であった。異なる様相の森林の区別が注意回復尺度によって区別できる事、および気分状態の評価と整合性が取れることが示された。また、フィンランドの森が高く評価された要因は湖の存在すること、および平地であることによる林内の明るさが大きいと考えられる。