日本森林学会大会発表データベース
第124回日本森林学会大会
セッションID: P2-091
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生態
ブナの葉群分布は地理的変異を示すか? ‐落葉後の簡易レーザスキャンによるアプローチ‐
*望月 貴治楢本 正明斎藤 秀之水永 博己
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抄録

ブナの個葉サイズは地理的に変異することが知られている。これは小枝スケールの光利用戦略に影響することが予想できる。では、樹冠全体の光利用戦略は個葉サイズの異なる個体群間で違うのだろうか。樹冠の光利用戦略には個葉、小枝、葉群それぞれの構造が密接に関わる。そこで、本研究では葉群分布に注目し、レーザスキャンによって葉分布を定量化し、樹冠の光利用戦略の地理的変異を考察した。調査は紫尾山(鹿児島)、富士山(静岡)、苗場山(新潟)標高900m、標高1500m、黒松内(北海道)標高100mのブナ林において4個体以上を対象に行った。葉群分布の調査には非破壊的に簡便に測定できる地上レーザスキャナが近年使用されるようになったが、樹冠の上部ほど推定精度の低下が起きること指摘されている。そこで、落葉後のスキャンデータが樹冠上部に到達しやすいことに注目し、葉分布を推定した。クラスター化の程度や特徴の算出には60㎝のボクセルごとに推定した葉密度を用いた。発表では葉分布のクラスター化に注目し、個体群間の比較を行った結果を示す。

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© 2013 日本森林学会
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