日本森林学会大会発表データベース
第124回日本森林学会大会
セッションID: P2-187
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落葉広葉樹二次林における落葉分解呼吸量の時系列変動
*安宅 未央子小南 裕志吉村 謙一深山 貴文
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抄録
有機物の分解に伴う呼吸量は通常、温度と並んで水分条件に大きく影響を受ける。森林土壌内の含水率鉛直分布は雨水の浸透と蒸発過程によって複雑な変化をし、特に表面近傍の落葉層は高い蒸発ポテンシャルのために層内の含水率鉛直分布の変動が大きくなる。従って、この層内含水率の時空間変動は落葉分解呼吸量に強く影響すると考えられ、その評価のためには層内含水率分布と呼吸量の連続的な観測が必要となる。本研究では、層厚の異なる落葉層(乾燥重量:15g、60g)からのCO2放出量を閉鎖循環型の開閉式自動チャンバーを用いて連続的に測定し、並行して落葉層内の含水率鉛直分布を観測することによって、落葉分解呼吸量の時系列変動特性に与える影響について調べた。観測は、京都府南部に位置する山城試験地で行い、優占するコナラの落葉をサンプルとした。層厚の違いによって、落葉層内の乾燥-湿潤過程は異なった。薄い区画では降雨後の乾燥過程において落葉層全体が乾燥するため、分解呼吸量はほぼ0にまで低下した。一方、厚い区画では落葉層の下層において湿潤状態が維持されるため、降雨後の乾燥過程における分解呼吸量の変動は薄い区画に比べると小さかった。
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© 2013 日本森林学会
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