日本森林学会大会発表データベース
第125回日本森林学会大会
セッションID: I16
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防災
昭和13年六甲災害の原因についての当時の新聞報道および報告書のテキスト分析
*田中 隆文北山 祐希上田 渉多
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抄録
【目的】災害学において,理想条件下の典型例を解説する説明だけでは災害時の具体的なニーズには踏み込めない。しかしその事例に関する情報が不足し付加すべきその事例固有の情報を発信できない場合も多い。このジレンマを打破するひとつの方策として「複数論併記の発信」を考えたい。本報告では,情報発信者側(専門家)の問題点の整理を扱う。【方法】昭和13年に神戸市を襲った土砂災害に関する新聞記事や当時の報告書(神戸市水害誌など)に掲載されている複数論の併記を対象とし以下のようにテキスト分析を実施した。まずRMeCab を使用し形態素分析をした。この際、砂防関係の9冊の教科書の索引・目次の4748語を辞書に加えた。次に複数の発言者の高頻度語(群)のうちの17語(群)に着目し,使用頻度クロス表を作成した。そしてR言語MASSパッケージの対応分析を用いて解析した。【結果】新聞記事では短期・長期および人間社会・自然と様々な意見が混在していたのに対し,神戸市水害誌では直近の具体的な話に関心が集中していた。これらの結果から,複数論併記において編集者のバイアスが影響してしまうという複数論併記の課題が露となった。
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