日本森林学会大会発表データベース
第125回日本森林学会大会
セッションID: P2-213
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特用林産
ツバキ油含有量からみたヤブツバキ種子の成熟過程とその特性
*前田 一田嶋 幸一前田 学井出 俊子久林 高市田中 隆
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キーワード: ヤブツバキ, 成熟, ツバキ油
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抄録
長崎県五島列島はツバキ油の産地であり、その生産量は全国の約4割である。平成24年7月には椿による五島列島活性化特区に指定され、今後、ツバキ油の増産を目標としている。ツバキ油の原料は地元の自生ヤブツバキ林から採集した種子である。採集方法は、手摘みを主体とし、収穫期間は毎年9月前後の1ヶ月の間である。しかし、果実の裂果の時期が地域や個体によって異なることから、現地では収穫する時期を経験的に決めている。そこで、本研究ではヤブツバキの果実および種子の成熟過程とツバキ油含有量の相関を解析し、ツバキ油生産のための収穫時期について検討を行った。その結果、ツバキ種子は8月中旬からツバキ油を生成し、9月上旬に乾燥した種子重量の約3割をツバキ油が占めるようになることが分かった。また、収穫時期別に種子の状態を比較してみると、8月中旬に裂果をはじめた種子は未成熟なものの割合が高く、次第に成熟した種子の割合が増えていくことが明らかになった。ただし、9月以降も未成熟な種子はわずかに含まれ、すべての種子が成熟した状態になることはなく、採集後の選別作業が不可欠であることが示された。
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© 2014 日本森林学会
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