日本森林学会大会発表データベース
第125回日本森林学会大会
セッションID: T09-08
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マツ枯れ・マツ材線虫病研究の現在:森林学会100周年によせて
アカマツとクロマツの抵抗性と感受性家系の植栽林分におけるマツ材線虫病流行の解析
*松永 孝治大平 峰子武津 英太郎倉原 雄二千吉良 治倉本 哲嗣高橋 誠杉本 博之富樫 一巳
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抄録

【目的】マツ材線虫病への対策として林木育種センターは関係機関と抵抗性マツ品種を開発しており,その自然受粉家系が造林されている。ここでは,抵抗性マツの植栽林分における材線虫病の流行状況を明らかにするため,抵抗性と感受性のマツ家系が植栽された15年生林分の6年間(2007~2012)の調査結果を解析した。【方法】熊本県水俣市に設定された試験地において,全個体について枯死の発生を毎年調べた。また,試験地の一部を重点調査区域として,5月から11月の間毎月1回,樹脂滲出の有無と針葉の変色状況を記録した。前々年の枯死木を毎年伐倒して樹幹上のマツノマダラカミキリ(以後カミキリ)の脱出孔数を調査した。また,2009年からスクリーントラップを設置して,区域内のカミキリの密度を調査した。【結果】単年のマツの枯死率は年々増加したが,2011年をピークに減少に転じ,2012年までの累積枯死率は73%であった。抵抗性アカマツの枯死率は感受性のアカマツに比べて低い傾向がみられた。脱出孔数から推定したカミキリの発生数は2012年まで年々増加したが,トラップで捕獲されたカミキリ数は2011年をピークに減少に転じた。

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© 2014 日本森林学会
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