日本森林学会大会発表データベース
第125回日本森林学会大会
セッションID: T12-03
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木質バイオマス発電への燃料供給の展望と課題
島根県におけるエネルギー需要と森林資源量
*大津 裕貴小池 浩一郎
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抄録

 島根県では松江バイオマス発電株式会社(松江市)と合同会社しまね森林発電(江津市)の2施設が設備認定されている。2つの発電所建設により60,000ton/年と80,000ton/年(発電所着重量)の木材チップ需要が増える計画である。需要増加分の供給は、島根県内のパルプ原料用チップ納入企業などで組織している島根県素材流通協同組合などが担当する。
 島根県素材流通協同組合員への聞き取り調査では、各社とも原木の確保を問題視している。そのため、作業班増加へ意欲的な回答が得られた。しかし、作業班を増加させるには時間がかかることが予想され需要増加とともに供給量が増加するとは考えにくい。
そこで、島根県の木材勘定表を作成し現状把握とエネルギー需要が増加することで生じるであろう影響について考察した。
 その結果、針葉樹材の多くが合板利用されており、広葉樹材の多くはパルプ原料用チップとして利用されていることが分かった。
 FITによる燃料用木材価格は、PKSなど代替燃料の動向に左右される取引が行われると考えられる。この価格次第では、低価格なパルプ原料用針葉樹チップだけでなく製材用材などにも影響がしょうじるのではないかと考えられる。

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