日本森林学会大会発表データベース
第126回日本森林学会大会
セッションID: P1A038
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防災部門
短期水収支法による森林小流域の水収支評価:50%間伐後3年間の観測結果
*佐野 仁香五味 高志佐藤 貴紀平岡 真合乃恩田 裕一
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抄録

スギ・ヒノキ人工林の強度間伐が、水流出量に及ぼす影響を評価するために、栃木県南部佐野市に位置する東京農工大学FM唐沢山で間伐施業前後の水流出観測を行い、短期水収支法で損失量を推定した。40~50年生スギ・ヒノキ混交人工林のK2流域(17.1 ha)では、2011年7月から12月にかけて2残2伐の列状間伐(本数間伐率:50%,材積間伐率:46%)を行い、K3流域(8.9 ha)は対照流域として2013年1月まで施業は行わなかった。間伐前(2010年8月と9月)の日損失量は月平均でK2流域では3.1 mm/日 と3.1 mm/日、K3流域では2.6 mm/日 と3.0 mm/日 と推定された。間伐後のK2流域における同期間の平均日損失量は、間伐前のおよそ2.8~6.7%と見積もられた。これに対し、K3流域では間伐前後の違いはほとんど見られなかった。今後は、さらに流出観測データの解析を進め、現在まだ推定されていない期間の損失量を短期水収支法で推定していくとともに、間伐後の損失量の経年変化を把握していく。さらに、間伐による森林の損失水量の変化の要因を考察していく。

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© 2015 日本森林学会
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