日本森林学会大会発表データベース
第126回日本森林学会大会
セッションID: P1A059
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重大災害事例にみる林業労働災害の傾向と推移
*中島 千嘉舩坂 雪那山田 容三
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抄録

高性能林業機械の普及や路網整備等の進展による労働負荷の軽減や、法令の整備とそれに伴う安全衛生活動の推進、その他労働力の推移等の影響もあり、林業労働災害発生件数は長期的には減少傾向にあるといえる。しかしながら、労働災害発生率は依然として高く、平成25年度森林・林業白書によれば、平成22年の死傷年千人率の値は林業が27.7となっており全産業平均の約13倍程度である。森林資源が充実し林業労働者の多くが高齢となってきている昨今、新規就業者の安定的な確保や育成が喫緊の課題となっているが、そのためにはまず労働者にとって安全な職場環境を確保することが必要である。労働災害減少のためには、その発生要因や災害の特徴、傾向をつかむことが重要となる。特に災害要因や傾向、防止策には、災害の経年変化と同時に、日本の林業をめぐる情勢の変化といった背景的な影響に対する考慮も必要である。そこで、本研究では主に重大災害に着目し、社会的変化との関連を踏まえつつこれまでの林業労働災害の特徴や変化傾向を明らかにし、災害防止のための基礎資料と為すことを目的として、過去十数年の死亡災害について統計分析を行った。

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