日本森林学会大会発表データベース
第126回日本森林学会大会
セッションID: P1B009
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造林部門
インドネシア中部カリマンタン州熱帯泥炭湿地に植栽したShorea balangeranの10年間の成長速度
*加藤 幹大斎藤 秀之Gaman SampangYuda PrawiraPenyan Sandan渋谷 正人
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抄録

東南アジアの熱帯泥炭湿地林では農地転換や焼き畑、土地開発等のため、荒廃地が増加している。それにともなう生態系サービス低下は深刻であり森林修復は急務である。短伐期の早生樹種を用いて行われる産業造林は事業体主導のもと行われ成功している。しかし熱帯泥炭湿地では立地特性からアカシア類を育成するには環境負荷の大きな施業法が必要であり、近年は新規造林が敬遠されている。さらに、産業造林で生産される木材は主にパルプ材であり、建材を得るため天然林伐採は依然として行われている。よって建材生産を目的とした人工林造成も今後は必要とされると考えられる。本研究では現地に自生するフタバガキ科の高木類Shorea balangeranを対象樹種とする。この種は高いストレス抵抗性や力学的強度、経済価値などの性質から造林樹種として有望視されている。造林樹種を選抜する際に成長特性は重要な基準となる。しかし経時的な成長データは乏しい。そこで本研究はShorea balangeranの成長速度を明らかにすることを目的とした。植栽後10年で樹高は平均8.8m、最大17.0m、DBHは平均8.1cm、最大20.5cmとなりShorea blangeranは初期成長速度の高い種であることが示された。

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© 2015 日本森林学会
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