日本森林学会大会発表データベース
第126回日本森林学会大会
セッションID: P1B012
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造林部門
栃木県唐沢山における強度間伐後3年間のスギ・ヒノキ人工林の下層植生の変化
*山崎 寛史上條 隆志五味 高志恩田 裕一
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キーワード: 強度間伐, 下層植生, 人工林
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抄録

 本研究は、2伐2残の列状間伐が行われた栃木県唐沢山において、強度間伐がスギ・ヒノキ人工林の下層植生の変化に与える影響を明らかにすることを目的とした。225m2~300m2の調査プロットを4か所に設置し、植生調査を行った。出現種数(5m×5m)は、間伐前で12種~38種であり、間伐後3年目で50種~72種と増加した。植被率も、間伐前で8.9%~63.3%、間伐後3年目で92.0%~99.6%と増加した。木本については、ヒサカキ、アラカシ、ニワウルシ、タラノキなどが主要樹種であり、前者2種は間伐前から存在していた株が間伐後に再生し、後者2種は埋土種子ないし森林外からの散布種子により、間伐後に新たに出現したと考えられる。一方、草本については、ダンドボロギクなどの一年生草本、オカトラノオなどの多年生草本があり、前者は間伐後1年目に新たに出現し、間伐後2年目には大きく減少した。後者は間伐後1年目に新たに出現し、間伐後2年目以降に大きく増加した。これらのことから、強度間伐は短期間で下層植生の種組成、特に草本の種組成を大きく変化させることが明らかとなった。

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