日本森林学会大会発表データベース
第126回日本森林学会大会
セッションID: P2B028
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造林部門
関東地方のスギコンテナ苗植栽成績について
*宇都木 玄壁谷 大介川崎 達郎櫃間 岳山田 健落合 幸仁屋代 忠幸
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抄録

低コスト再造林に向けてコンテナ苗の利用普及が活発化している。裸苗と比較してコンテナ苗の活着率が高い場合が多いが、成長良否については成績が混在している状況である。その一因として、コンテナ苗出荷段階で形状比が高く、また苗高も低い事が観察されている。本研究は、関東森林管理局管内に植栽された実生スギコンテナ苗の成長成績を裸苗と比較しながら明らかにし、コンテナ苗に期待される特徴を考察する。対象は平成21年から平成26年までに植栽された、関東森林管理局管内スギ植栽試験地(21か所)であり、平成26年春までに取得されたデータを用いた。植栽後3年以上の調査地は7か所、2年以上は11か所、1年以上は15か所である。植栽直後の形状比は裸苗に比べてコンテナ苗が有意に高く、樹高と地際直径は有意に小さかった。植栽後1年目になると形状比と直径は植栽直後と同様の傾向だが、樹高は両者で有意差が無くなった。2年目以降全ての項目で両者に有意差が無くなった。コンテナ苗は植栽当初形状比が高く小型の個体が多いが、2年目には通常の裸苗と同等のサイズになる事が解った。小さく生んで大きく育てる事が、コンテナ苗の特徴の一つであろう。

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