日本森林学会大会発表データベース
第126回日本森林学会大会
セッションID: P2B030
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造林部門
ヒノキ実生コンテナ苗を活用した植栽試験における苗木の活着と成長
*奥田 史郎諏訪 錬平山下 直子大原 偉樹池田 則男矢野 宜和
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抄録

一貫作業システムによる低コスト再造林では伐採後の速やかな植栽を実施するために通年での植栽が必要となる。ここでは、近畿中国地域で多いヒノキの通年植栽の実効性を検証するために、異なる3種類の植栽素材を三つの異なる季節に植栽する試験を実施し苗木の活着と成長を比較した。岡山県西部の新見市内の二カ所の国有林(三光山試験地、三室試験地)で植栽試験を実施した。三光山は上木を伐採後3年経過しており、三室は一貫作業により伐採後にすぐ植栽する点で比較している。植栽素材は、ヒノキ実生の2年生コンテナ苗と普通苗およびヒノキ挿木のセラミック苗の3種類で、植栽密度は2100本/haの苗間約2.2mでの方形植えとし、植栽季節として、夏季は8月下旬、秋季は10月下旬、春季は5月上旬にそれぞれ植栽した。植栽後2か月での苗木の活着は、コンテナ苗が3種類の苗木の内で最も健全な割合が高く、枯死率も低かった。樹高成長はコンテナ苗の方が普通苗に比べて大きく、夏植栽が他の季節に比べて大きかった。地際直径の成長は夏季植栽ではコンテナ苗が大きいか同等で、それ以外の季節、場所とも普通苗で成長量が大きく、植栽季節によりパターンが異なっていた。

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