モンゴル国マンダルゴビ地域において、地盤高別に土壌の無機態窒素と同所に生育する草本の根と葉の窒素濃度と安定同位体比を比較し、植物の窒素源や窒素利用の違いを調べた。土壌中の無機態窒素濃度は植被率が高いプロットで高く、アンモニア態窒素に比べて硝酸態窒素濃度が著しく高かった。植物の根のδ15Nは葉と同じかわずかに軽く、土壌中の硝酸態窒素の安定同位体比と近い値を示した。植被率が高いプロットでは裸地より硝酸態窒素のδ15N値が重く、植物リターの分解とその再吸収による窒素の再利用が行われていることが示唆された。