日本森林学会大会発表データベース
第126回日本森林学会大会
セッションID: T05-12
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T5. 木質バイオマスの中小規模熱利用の課題と展望
乾燥チップ燃料の低コスト生産と地域内流通~長野県佐久・大北地域での取り組み事例~
*小島 健一郎高野 毅由井 正宏
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抄録

現行のFIT制度による発電用のチップ材供給は、本来森林所有者が受け取るべき立木価格へと反映できないような構造となっている。長野県の佐久地域と大北地域の林業団体である「佐久林業連絡会議」ならびに「大北林業創生協議会」では、発電用ではなく熱利用に向けた乾燥チップの生産と供給を事業化すべく、三ヵ年に渡って活動している。両団体で共有しているコンセプトは以下の通り。
 
・地域の温泉や旅館、プール、事業所などの温熱利用をバイオマスで代替する
・木質ペレットは生産設備が不可欠かつコストが高いため、木質チップとする
・生チップ焚きボイラは初期投資が高額のため、乾燥チップ焚きボイラとする
・乾燥チップは水分30%w.b.以下、価格20円/kg(到着ベース、税別)を目標とする
・チップ供給の受け皿となる株式会社を設立、既存の製紙チップ工場に生産を委託する
・受け皿会社はチップの安定供給を担うとともに需要開拓(ボイラ導入診断)を推進する

本シンポジウムでは、このコンセプトについて説明するとともに、これまで実施した調査や実験についても結果を発表し、乾燥チップ流通のための認識を共有できればと考えている。

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