日本森林学会大会発表データベース
第126回日本森林学会大会
セッションID: F03
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生理部門
広葉樹の枝と幹の道管形成と開葉時期との関係
*高橋 さやか高橋 絵里奈岡田 直紀野渕 正
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抄録

【目的】温帯広葉樹林において道管配列/管孔性の異なる樹種が、どのような時期的関係で道管形成と葉の展開を行うのかを明らかにすることを目的とする。【方法】芦生研究林および上賀茂試験地に生育する、林冠を形成する落葉性の環孔材樹種、散孔材樹種、半環孔材樹種、および常緑性の環孔材樹種、散孔材樹種、放射孔材樹種について、幹の成長錐コアと枝を春先から定期的に採取し、同時に葉のフェノロジーを観察した。採取した試料を用いて、当年の年輪界から1列目の道管列(初形成道管列)の木化を顕微鏡で観察した。【結果】落葉性環孔材樹種では、開葉時に枝と幹の初形成道管列が木化し、落葉性散孔材樹種では、開葉時に枝の初形成道管列が木化するが、その後、数週間後に幹の初形成道管列が木化した。落葉性半環孔材樹種、常緑性の環孔材樹種および散孔材樹種では、落葉性環孔材樹種と同様の結果の個体と、落葉性散孔材樹種と同様の結果の個体が見られた。常緑性放射孔材樹種においては、落葉性散孔材樹種と同様の結果であった。

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