日本森林学会大会発表データベース
第126回日本森林学会大会
セッションID: T28-02
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もう一つの森の主役・菌根:基礎研究から応用研究まで
ブナ科樹木の根にみられるビョウタケ目菌の多様性
*中村 慎崇田中 千尋竹内 祐子
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抄録

子嚢菌門ビョウタケ目に属する内生菌は、ツツジ科やブナ科植物の根から検出された事例が知られており、近年、特定の根圏においては外生菌根菌を凌ぐほどの頻度で存在することが明らかになりつつある。しかし、現在までのところビョウタケ目内生菌に関する知見は特定の種を除いて限られたものであり、菌根の生態学的な研究などにおいて分子生物学的手法を用いて検出される種の多くが未記載種であることからもわかる通り、分類学的な扱いも確立していない。
本研究では、京都府を中心に複数の地点でブナ科樹木の根を含む土壌をサンプリングした。次亜塩素酸カルシウムを用いて表面殺菌を行ったブナ科樹木の根からビョウタケ目内生菌を分離し、リボソームDNAのLSU領域およびITS領域の塩基配列に基づいて分類群の特定、OTUの識別を行った。本研究で得られたビョウタケ目分離菌株の多くは互いに近縁な一つのグループに属していたが、グループ内で高い多様性が認められた。また、サンプリング地点により多く出現するOTUは異なったが、樹種との対応関係は見いだせなかった。

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© 2015 日本森林学会
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