日本森林学会大会発表データベース
第127回日本森林学会大会
セッションID: A11
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学術講演集原稿
山村における浄化槽の利用と管理:住民意識アンケートの結果から
*高田 乃倫予永田 信
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抄録

 過疎高齢化が進む山村の住環境に鑑み、本研究は、永続的管理の必要な山村の生活排水処理について、特に浄化槽の利用と管理の実態を明らかにする。調査は埼玉県C市の振興山村であるU地域を対象とした。C市役所、U地域住民への聴き取り調査の結果をもとに、アンケート調査項目を組み立てた。質問票は無記名回答とし、U地域の自治会を経由し住民に配布及び回収を行った。 回答者は65歳以上が約49%、単身もしくは2人の世帯が過半数を占めた。合併処理浄化槽を使用する世帯は25世帯、単独処理浄化槽は12世帯、汲み取り式は6世帯、無回答は4世帯となった。生活環境に良い排水処理方法として合併処理浄化槽を選択する回答が、自然環境に良い排水処理方法としてそれを選択する回答よりも多かった。費用に対する意識は、保守点検費より清掃費を高く感じているという結果になった。清掃費に対する意識は年収と弱い逆相関がみられた。世帯人数と浄化槽の稼働日数により数年に一度の清掃が平均的であるが、一回に支払う額が大きいため、所得の少ない世帯にとっては費用を高く感じると推測できる。今後、C 市においても低所得世帯を対象とする管理補助制度が求められてくるだろう。

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