日本森林学会大会発表データベース
第127回日本森林学会大会
セッションID: A23
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学術講演集原稿
国勢調査を用いた林業作業者コホート変化の時代・世代・年代への分解
*林 宇一永田 信立花 敏
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キーワード: 林業作業者, コホート, 3効果
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抄録

本研究では林業労働者数のコウホート効果・年齢効果・時代効果の分解を行った。林業労働者数の動向分析としては、国勢調査の林業就業者、林業作業者データを用いたコウホート分析に研究蓄積が見られ(田村ら1999等)、コウホート変化率やコウホート変化数の把握やこれらを用いた将来推計が行われてきた。他方で、各時点・年齢階級の就業者数はコウホート効果・年齢効果・時代効果の3効果から決まるとされるが、林業労働において3効果を検討した先行研究は限られる。そこで、Fu(2000)の提唱したIEモデルによる3効果への分解を行った。コウホート効果では1935年生まれをピークに減少し、1970年生まれから再び増加すること、年齢効果として55歳をピークに以後単調に減少すること、時代効果では1980年から2005年まで減少したのち、2010年に向かって増加することが判明した。林業労働には体力が必要なことから50代後半には減少を示し、就職氷河期に当たった1970年生まれ以降で林業への就業が進んでいる。また、緑の雇用制度が定着する2005年から2010年にかけて時代効果が上昇したことがうかがえる。

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