日本森林学会大会発表データベース
第127回日本森林学会大会
セッションID: P1-059
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学術講演集原稿
木材市場における取扱量の変化について~大径材の動向~
*亀山 翔平井上 公基吉岡 拓如
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抄録

 現在、我が国では長伐期施業に伴う高齢級の人工林の増加による立木の大径木化が進んでいる。大径材は、丸太生産過程においても伐倒作業時に使用する林業機械が制約されることや、木材として使用される範囲が狭まるなどの課題もある。そのため大径材の価格が小・中径材丸太より安くなるという報告もある。そこで本研究は、ある地域の木材市場の資料を基に径級別価格及び取扱量について大径材と小・中径材との比較検討を行った。その結果、スギ3m材および4m材の径級別価格は、平成18年度から同27年度までのすべての年度において、大径材が小・中径材よりも高値で取引されていた。また、取扱量については、3m材ではどの年度においても小・中径材が大径材よりも多く取引され、4m材の大径材は小・中径材よりも多く取引される年度も見られた。大径材は小・中径材より価格が安いとも言われているが、本調査結果では大径材は小・中径材よりも高価であると同時に、大径材の価格や取扱量は、年度や時期によって大きく変化することがみられた。今後も大径材の取扱量は増加傾向で推移し、さらに高価格で取扱われていくものと考えられる。

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