日本森林学会大会発表データベース
第127回日本森林学会大会
セッションID: P1-071
会議情報

学術講演集原稿
シオジ稚樹生育に適したスギ林内の立地条件
*小川 大知戸田 浩人崔 東寿
著者情報
キーワード: シオジ, 光環境, 土壌水分
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

シオジは関東以南太平洋側で主要な渓畔樹種の良質材が得られる落葉広葉樹である。天然生シオジは伐採により蓄積が減少し、後継樹となる稚樹の育成が課題である。シオジ母樹下では稚樹が矮小化し後継樹育成は困難だが、隣接するスギ林内で良好な成長をしている稚樹が見られると報告されている。そこで本研究ではスギ林内でのシオジ稚樹生育に適した立地条件、特に林内光環境と土壌水分量を調査した。群馬県みどり市東京農工大FM草木にて、沢筋にシオジ林かつ側方斜面にスギ林が存在し、両林内にシオジ稚樹が生育している林地4箇所とシオジ皆伐植栽地1箇所を調査地とした。沢岸から斜面上部に向かって帯状調査地を設置し、沢からの距離別プロットでシオジ稚樹の生育状況、相対照度およびTDR法による土壌体積含水率の調査を行った。また、各帯状調査地のシオジ林、スギ林斜面下部、スギ林斜面上部の3群から1~3本のシオジ稚樹の樹幹解析と採土円筒を用いた土壌三相組成・最大容水量の測定を実施した。結果、相対照度の高いスギ林内斜面下部でシオジ稚樹の生育が良好であった。発表では樹幹解析や土壌物理性の結果も含めシオジ稚樹生育に適したスギ林内の立地条件を考察する。

著者関連情報
© 2016 日本森林学会
前の記事 次の記事
feedback
Top