日本森林学会大会発表データベース
第127回日本森林学会大会
セッションID: A35
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学術講演集原稿
REDD-plus政策の交渉プロセスにおけるタンザニアのスタンス
*福嶋 崇
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抄録
本発表では、タンザニアのREDD政策の交渉プロセスにおけるスタンスを、主に現地調査を通じ明らかにすることを目的とする。森林減少・劣化を対象とするREDDは、COP21における交渉の結果、パリ協定の下に法的合意として位置付けられ、各国のGHG削減目標の達成に活用可能となった。タンザニアはUN-REDDプログラム及びノルウェーからの二国間援助を受けて国内の体制整備を進めてきた。また、自国で約20年にわたり実施してきた参加型森林管理事業をREDDとして適用することを検討している。タンザニアは多くのアフリカ諸国にみられるように、京都議定書の第一約束期間におけるCDM登録件数は3件のみとほとんど利益を得られなかった。このことから、地域バランスへの配慮を強く求めると共に市場アプローチよりも基金アプローチを主張していた。しかし、その後は多国間・二国間の支援を十分に得られておらず体制整備は停滞気味であり、また地域バランス是正に向けた主張は現時点においては必ずしも十分に決定事項には反映されていない。こうした懸念について詳細ルールを検討する今後の交渉で改善を図っていくことが求められる。
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