2005年に認定が開始された「森林セラピー®基地・ロード」は、年々増加して2015年1月現在全国に57箇所となった。本研究は、基地・ロードの運営において重要視する項目とその達成率、今後に重要視される項目等を把握すべく、基地・ロードの運営者に対する聞き取り調査と悉皆のアンケート調査を実施した。その結果、項目の「森林とセラピーロードの整備」や「参加者の満足度等の意識調査」は達成率が高い一方で、「宿泊施設」、「医療機関」、「企業・団体」等との連携はまだ十分進んでいない状況が明らかになった。また、「基地運営の仕組みづくり」、「人材の確保・育成」を今後重要視すると回答した主体が多かった。基地運営の仕組みづくりに関しては、開始時に行政が主導して認定を取得したところが多いが、その後に新しく組織を作ったり外部団体に運営を移行したりと、分業体制が進んでいることも把握された。人材の確保・育成に関しては、主にガイドについて検討し、基地・ロードの約半数に地元独自のガイドが存在すること、メンタルヘルスプログラムの実施等が課題となっていることも明らかになった。今後は企業等と更に連携し、利用者を獲得することも重要となる。