近年、台風や大型の低気圧による自然災害の増加に伴い、様々な森林状況の変化が広域にわたって起っている。これらの変化を人力のみで詳細に把握するのは難しい。そのため、森林の現況把握を広域に観測するリモートセンシングの活用がなされている。特に最近では高解像度の航空写真、衛星写真、LiDARの使用が容易になり、森林状態だけでなく単木単位での解析が可能になってきた。単木単位での樹木情報の取得により、より詳細な森林現況の把握が期待される。本研究では複数年撮影された高解像度の航空写真とLiDARデータを用いて風倒被害地の解析を行い、被害面積、樹高、樹冠面積、立木本数、材積推定をすることを目的とした。風倒被害地の立木は、1)航空写真を用いた教師付分類、2)被害後のLiDARデータで被害地を抽出、3)被害前後のLiDARデータを用いて被害地を抽出、4)航空写真とLiDARデータを組み合わせた抽出、の4手法を用いて把握した。次にこれらの手法により抽出・算出した被害面積、樹高、樹冠面積、立木本数、被害材積の精度を比較、検証した。航空写真とLiDARデータを組み合わせることによる単木単位での高精度推定の可能性について報告する。