日本森林学会大会発表データベース
第127回日本森林学会大会
セッションID: T4-17
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学術講演集原稿
山岳地域におけるドローン利用に対する登山者の評価:大雪山国立公園における事例研究
*田岡 拓未庄子 康愛甲 哲也齋藤 天道
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キーワード: ドローン, 軋轢, 保護地域
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抄録

山岳地域でのドローン利用が自然環境や登山者の利用体験に悪影響を与えることが懸念される中、本研究では、ドローン利用に対する登山者の評価を明らかにすることを試みる。ドローン利用の野生動物への影響を把握した研究は存在するが(Ditmer et al. 2015)、登山者への影響あるいは登山者のドローン利用への評価を把握した研究は知り得る限り存在していない。調査方法は郵送アンケート調査と現地での聞き取り調査を併用した。対象者は大雪山国立公園内の登山者、調査時期は2015年7月から9月である。アンケート調査では、回答者全体の63.4%がドローン利用に対して否定的な回答をしていた。環境省が問題を認識して、昨年度対応策を取りまとめたトレイルランに対する評価も聴取しているが、それに対する否定的な回答が34.4%であったことを考えると、ドローン利用は重大な利用者間の軋轢を生じさせる可能性があり、早急な対応が必要である。ただし、聞き取り調査の回答者の39.5%が研究等の公的な目的でのドローン利用に対して寛容な意見を示しており、利用目的と規制との線引きについても考えていく必要があることが示唆された。

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© 2016 日本森林学会
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