日本森林学会大会発表データベース
第128回日本森林学会大会
セッションID: K12
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学術講演集原稿
奈良県におけるスギザイノタマバエの分布および発生消長について
*田中 正臣若山 学
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抄録

【概要】奈良県内におけるスギザイノタマバエの分布状および奈良県における成虫の発生消長について報告する。【方法】(分布状況)県下のスギ林45箇所にて調査林分を設定し、調査林分内のスギ立木(30本)の外樹皮を20×4cmはぎ取り、スギザイノタマバエの幼虫を計測した。そして幼虫の出現頻度および林分の幼虫密度を算出した。(発生消長調査)野迫川村および川上村において、スギザイノタマバエ成虫捕獲容器をスギ樹幹に取り付け、5月下旬~11月に発生する成虫の数を計測した。【結果】(分布状況)奈良県において、スギザイノタマバエは標高600m以上のスギ林に棲息しており、標高900~1100mで最も出現頻度および棲息密度が大きかった。標高が600m以上であっても幼虫や皮紋が確認できなかった地域もあったが、やがて県内全域に広がっていくものと考えられた。(発生消長調査)成虫は年2化で発生する。成虫発生のピークは6~7月と9~10月であった。この結果は、九州地方と比べて、ピークが1ヶ月~1ヶ月半遅くあらわれた。

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