日本森林学会大会発表データベース
第128回日本森林学会大会
セッションID: P1-007
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学術講演集原稿
都市部における薪調達の実態調査ー京都市北部を事例にー
*宮﨑 俊亨
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抄録

【目的と方法】薪の販売量は、高度経済成長期から一貫して減少したが、2006年以降増加傾向にある。薪の調達と利用に関する既往の研究は、中山間地や小規模な自治体を対象としており、市街地における実態は未だ明らかにされていない。本研究では、薪の調達と利用に関する市街地特有の現状と課題を明らかにする。そのため京都市の北区・左京区の一部を対象地とし、アンケート調査を実施した。主な調査項目は、薪の調達方法である。目視による悉皆踏査で確認した調査地内の煙突、および暖炉を設置している住戸337戸に調査票を配布し、180件の回答を得た(回答率:53.4%)。【結果と考察】市街地にも関わらず7割以上が薪の一部または全量を自己調達していることが明らかとなった。自己調達先は、工務店からの廃材譲渡、造園業者からの剪定木の譲渡の他、神社からの伐採木の譲渡等が確認された。また割薪購入者の84.6%が自己調達の割合を増やしたいと回答している一方、調達先の情報の入手が困難との自由回答が目立った。薪販売業界としても薪需要者の把握が課題となっており、薪の販売者、譲渡者、利用者に関する一体的な情報の整備が課題となっている。

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