日本森林学会大会発表データベース
第128回日本森林学会大会
セッションID: P1-155
会議情報

学術講演集原稿
北海道におけるセンサーカメラを用いた山菜利用者動態把握
*尾崎 研一庄子 康明石 信廣佐藤 重穂稲荷 尚記
著者情報
キーワード: 山菜, センサーカメラ, 採集
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

山菜の供給は森林のもつ生態系サービスの一つであるが、山菜供給サービスを定量化した研究は少ない。そこで、ある地域における山菜利用を定量化し、その経済評価を行うためにセンサーカメラを用いて山菜利用者の動態を把握した。調査地は北海道中央部に位置する面積約5000haの地域である。トドマツ人工林が優占するが、標高の高い場所には広葉樹天然林が残っており、その林床にはチシマササが繁茂し良質なタケノコが採集できるため、毎年多くの人が山菜採りに訪れる。この調査地に通じる9本全ての林道の入口に4月下旬から6月下旬までセンサーカメラを設置し、林道を通行する車を記録した。撮影された車は林業等に従事する作業車と、それ以外の一般車に区別した。2015年と2016年に調査を行った結果、両年とも合計約3300台の一般車(出入り込み)が記録された。これらのほとんどが山菜採集が目的だと考えられた。一般車の出入りは2015年には5月下旬、2016年には6月上旬に最大で、時間帯は両年とも入ってくる車は午前7時頃、出て行く車は午前11時頃に最も多かった。以上の結果から本調査地には毎年、少なくとも約1600台の車が山菜利用のために入山すると考えられる。

著者関連情報
© 2017 日本森林学会
前の記事 次の記事
feedback
Top