伐採や集運材といった林業作業をはじめ、森林内でさまざまな作業に従事する者たちの労働安全性を向上させる方策のひとつに、赤色やオレンジ色、黄色といった視認性の高い色彩を用いた作業用衣服を着用することによって、自身の存在を他の作業者あるいは周囲の人々に強くアピールして注意を喚起する手法がある。このとき、これらの色彩は、作業者が労働する環境を構成している様々な物体が持つ色彩(環境色彩)、すなわち作業用衣服の背景から良好に分離している必要がある。筆者らは既報にて、紅葉期の広葉樹林内では赤色・オレンジ色・黄色が背景の紅葉色に埋もれてしまい、視認性が損なわれる危険性を指摘した。本報告では八甲田山麓のブナ林を対象として、2016年10月12−13日にかけて、紅葉期のブナ林内を撮影したデジタルスチルカメラ画像から環境色彩を測定・分析し、その色彩値の分布を求めた。※本研究はJSPS科研費15K00683「林業労働の死傷事故を予防低減する機能性色彩デザイン」の助成を受けたものである。