主催: 一般社団法人日本森林学会
会議名: 第128回日本森林学会大会
回次: 128
開催地: 鹿児島県鹿児島市(主に鹿児島大学郡元キャンパス)
開催日: 2017/03/26 - 2017/03/29
ブナは伐採や雪害のような物理的な撹乱によって樹形が複雑に変化する。このような形態変化は、樹上に落葉落枝を堆積させるくぼみ(樹洞)を形成し、土壌動物に対して地上部の生息場所を提供する。樹洞は空間的に不均一に分布しているが、立地条件や樹木の状態などの環境因子によってその形成数が決定されていると予想される。そこで本研究では、ブナ林において樹洞形成に関わる環境因子と樹洞内部の土壌動物群集を調査した。樹洞が多く観察される福島県南会津郡只見町において調査を実施した。2016年10~11月に、5か所のブナ林において、林分の傾斜角、ブナの胸高直径、樹洞数、樹洞の形状・サイズ(開口面積・深さ・容量)を計数・測定した。また、樹洞内の枯死有機物を採集後、ツルグレン装置によって土壌動物を抽出し、枯死有機物の乾燥重量を計測した。調査の結果、立地の傾斜角が大きいことで樹木の根元部分が曲がり、かつ樹木サイズが大きい林分において樹洞数が多かった。さらに、これらの環境因子が樹洞内の動物群集に及ぼす影響を検討した。