日本森林学会大会発表データベース
第128回日本森林学会大会
セッションID: D8
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学術講演集原稿
東カリマンタン・スンガイワイン保護林における撹乱に伴う樹種構成の変化
*酒井 敦Edi MirmantoSugiarto高橋 正義上田 朗良
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抄録

熱帯地域の経済成長や人口増加に伴い、熱帯雨林の劣化と断片化が進行している。熱帯雨林の生物多様性を広域で評価する手法を開発するため、ボルネオ島東カリマンタンのスンガイワイン保護林で調査を行った。森林火災や伐採で様々な度合いで劣化した保護林で、周辺部から内部にかけてライントランセクトを3本設置し、毎木調査を行った。トランセクトの長さはT1が850m、T2が1600m、T3が3300mで、トランセクトの長さに応じて50m~300mおきに面積0.04haの円形プロット(N=46)を設置し、立木の胸高直径(DBH >= 5cm)を計測した。構成樹種はT1が114種、T2が124種、T3が108種であり、低頻度出現種が多かった。大径木はShorea leprosula、S. laevis、Dipterocarpus cornatusなどがあった。T1は森林火災を受けてMacaranga属やVernonia属が多く出現し、谷地形に比較的大径の木が残っていた。T2はT1より保存状態がよく、丘陵地の上にフタバガキ科の大径木が残っていた。T3はさらに保存状態がよく、内部に行くと胸高直径1m、樹高50m級のフタバガキ科の大径木が多く分布していた。衛星画像(ランドサット)の正規化植生指数(NDVI)と種数、幹数、胸高面積合計などとの相関を検討した。

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