日本森林学会大会発表データベース
第128回日本森林学会大会
セッションID: E7
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学術講演集原稿
遺伝学的手法を用いたシラカンバの侵入パターンの検証
*中西 敦史北村 系子上野 真義倉本 惠生関 剛津山 幾太郎飯田 滋生
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抄録

 北海道では、トドマツ主伐後の低コスト造林手法として、先駆樹種で林業的価値が高いシラカンバの天然更新による造林技術が検証されている。その中で、種子散布による伐開地への侵入パターンは、残存種子親の適切な配置を検証する上で不可欠な情報であり、また、侵入パターンは更新集団の遺伝的多様性に大きく影響することから、更新集団の健全性を検証する上でも重要である。本研究では集団遺伝学的手法を用いてシラカンバの種子散布による侵入パターンを推定する。北海道空知郡南富良野町のトドマツ人工林伐採後に地がきを実施した試験地において、実生および試験地周囲の成木のマイクロサテライト遺伝子型を調べた。成木ではいずれの遺伝子座においても近交係数の偏りは検出されず、また、空間遺伝構造は検出されなかったことから、成木集団では任意交配が維持され、また種子散布および花粉散布が長距離である可能性が示唆された。本発表では、さらに実生と成木の遺伝子型から、種子散布による更新地への侵入パターンを推定し、シラカンバの天然更新施業技術を検証する。

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