日本森林学会大会発表データベース
第134回日本森林学会大会
セッションID: P-090
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学術講演集原稿
ALSデータを活用した森林多面的機能評価の検討
*菊地 真以松英 恵吾
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抄録

 森林の多面的機能発揮への期待の高まりを背景に、林野庁は育成単層林の育成複層林への誘導について目標面積を設定し、複層林化を促進している。そのゾーニング計画作成のためには、林地の生産力や地利条件、多面的機能発揮の能力を適切に評価する必要がある。

 森林評価を行う際には、森林内の林齢や樹種構成、樹高、密度などを示すデータが必要になるが、森林簿ならびに森林調査簿等のデータでは精度の問題が指摘されている。こうした状況をうけて、一部の森林ではALS(Airborne Laser Scanning)による計測が進められており、より詳細な森林情報の取得が可能になってきた。一方、ALSデータの活用に関しては解析方法を含めて検討の余地がある。そこで本研究では、ALSデータを活用した森林評価を行い、ゾーニング計画の作成を試みた。

 栃木県渡良瀬川森林計画区において、既に計測が終了している鹿沼市の民有林のALSデータとDTMを用いて地位、地利、林況の評価を行った。これらの評価結果を統合することにより、今後も育成単層林の状態を保つべき森林を抽出し、主伐や間伐の優先順位を求めることが可能となる。

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