日本森林学会大会発表データベース
第134回日本森林学会大会
セッションID: P-293
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学術講演集原稿
木質燃焼灰施用後初期のスギ新植林分の土壌物理性
*山田 毅平井 敬三佐野 哲也西川 祥子松岡 秀尚
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抄録

 著者らは、木質バイオマス燃焼灰の有効利用のため、灰をスギ林に施用して土壌理化学性の変化を追跡している。調査地は、熊本県内の2年生(2016年時)スギ新植地で、1区画 10m×20mプロットの灰施用区と対照区(各2反復)である。施用区では、2016年6月に主灰を約 5 Mg ha-1 施用した。灰施用による土壌孔隙の目詰まりなど土壌物理性への影響を明らかにするため、灰施用後の2016年8月と2017年11月に400 mL採土円筒を用いて試料を採取した。本発表では、それら試料の土壌物理性の解析結果について報告する。

 表層 0-10cm 深土壌の透水速度に関して、2016年は施用の有無にかかわらず、54-85 mL min-1で中庸であった。2017年は、対照区が 35, 62 mL min-1であったのに対し、施用区は133, 209 mL min-1と良好であり、灰施用が透水性の悪化を招くようなことはなかった。同様に 0-10cm深の土壌の細孔隙率も、両年の施用区・対照区いずれも約28~40% で違いは認められず、本試験地では灰施用による孔隙の目詰まりは起こっていないと推察された。

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