日本林學會北海道支部講演集
Online ISSN : 2433-0825
トドマツ,カラマツ,アカエゾマツ苗木の養分含有率について
津田 耕治
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1963 年 12 巻 p. 39-45

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抄録

さきにカラマツ苗木やトドマツ播種据置苗木について,その生育と養分吸収の季節的変化を調べたが,今回は養分吸収の年次的変化を概略的にしるためにトドマツ,カラマツ,アカエゾマツ苗木について苗令別に養分含有率を調べた。なお,これは規格苗の養分吸収に関する研究の一還として行なつたものの一部で,一般に標準的と目される苗木の養分含有率を一応求めておくために調べたものである。それゆえ,供試苗木は概して育苗成績の良好なしかも大きな苗畑から採集した。これは移入苗を調査の対称にしたくなかつたからである。ただ,土壌条件や育苗条件はかならずしも同じではないが,一応いづれも良好な肥培管理のもとに養成され良好な生育をしているものとして苗木を採集した。苗木の採集はいづれも秋10月に行なつた。トドマツは道有林の苗畑が多く,カラマツは支庁奨励苗圃ばかりである。苗畑の数はけつして多いとは言えないが,ここではトドマツ苗木を主とし,あわせてカラマツ,アカエゾマツについても養分含有率を求め,それらの変化を苗令別にかつ部位別にみると共に3樹種間の比較も行なつた。なお,この報告をまとめるにあたり,種々御便宜をたまわつた道庁の渡辺啓吾,内田勉両氏に対し,また苗木の分析にあたつた大友玲子,西浦美奈子両嬢に対し厚く謝意を表する。

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© 1963 北方森林学会
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