日本ファジィ学会誌
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ファジィエントロピーと発見的探索手法を用いたファジィクラスタリング
安田 真古橋 武松崎 元昭大熊 繁
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2001 年 13 巻 4 号 p. 387-396

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抄録

本論文では, ファジィエントロピーで正則化したファジィc平均法を用いて, クラスター数の推定とクラスター分類精度の向上を段階的に行う手法を提案する.第1段階のクラスター数の推定は, クラスターの分割と統合を繰り返すことにより行う.クラスターの分割点の決定にはファジィエントロピーで測った分布のあいまいさを, また, クラスター統合の際には, 新たに定義したファジィ相対エントロピーをクラスター間の形状の類似度の評価指標として利用する.クラスタリングの第2段階では, クラスター形状をFermi-Dirac型の分布関数で表し, パラメータを発見的探索手法, 特に焼きなまし法を適用して最適化する.その目的関数として, 標準クラスターに対するファジィ相対エントロピーを用いる.数値実験により本手法の検証を行い, クラスター数の推定が可能なこと, 及び, 発見的探索手法との組み合わせにより, データ分布が相互に重なったようなクラスターに対してもクラスタリング精度の向上が可能なことを確認した.

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© 2001 日本知能情報ファジィ学会
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