抄録
本論文では, 可能性クラスタリングに基づく新たな計算手法を提案する.まず, 確率的クラスタリングと可能性クラスタリングを対比させて議論することにより, 可能性クラスタリングの性質を再検討する.また, ここでは標準的ファジィc-平均法とエントロピー正則化によるファジィc-平均法を対象として議論を進めるが, 前者では, 後者で得られる確率的クラスタリングと可能性クラスタリングの解の関係を得ることができない.そこで, 前者の評価関数に正則化項を加えた新たな評価関数を導入し, この評価関数が後者のものと対比できることを示す.さらに, 可能性クラスタリングの分類結果の性質を吟味し, 新たな計算手法を提案する.この手法では, データのクラスタ数を指定せず, クラスタリングの過程でクラスタ数が自動的に決定される.最後に, 提案する手法の効果をirisデータを用いて評価する.