抄録
テキストマイニングシステムに記述する、キー概念間の関係を表現する構造抽出ルールを、与えられたテキストとそのテキストクラスから学習する方法が提案されている。従来法においては、ひとつの概念クラスには、せいぜいひとつのキー概念が対応することを仮定しており、複数のキー概念が出現するテキストを扱うことができなかった。本論文では、この問題を解決する方法として、ファジィ帰納学習の際に利用するメンバーシップ関数を、キー概念の集合を属性値として扱えるように定義し、このメンバーシップ関数に基づいて、複数キー概念が出現するテキストを扱う方法を提案する。また、提案法を導入したファジィ帰納学習法を、従来のファジィ帰納学習法、C4.5に基づいた方法と比較し、その有効性を検証する。